研究課題/領域番号 |
22K15248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有地 法人 京都大学, 薬学研究科, 助教 (60904935)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光触媒 / ラジカル / スルホニルアジド / 可視光レドックス触媒 / アジド / 結合切断 / 骨格変換 |
研究開始時の研究の概要 |
天然物は薬のタネとして非常に有用であるが、その複雑な構造のために、合成することが一般に困難である。さらにその構造を改変して、より薬らしい形へ磨き上げることは、より一層困難である。 本研究では、近年発展が著しい可視光レドックス触媒を用いた炭素-炭素結合の切断を利用するアプローチで、天然物に広く見られる骨格を構築する手法と改変する手法を開発する。これらの手法は、天然物の効率的な合成と構造最適化に利用可能であるため、天然物創薬を推進する波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、近年発展が著しい光触媒を用いた炭素-炭素結合の切断を利用するアプローチで、炭素骨格を構築あるいは改変する手法の開発を目指している。当該年度は、以下の3つの反応を検討した。 (1) 環状アルコールの開環を伴うアジド化反応:前年度において、モデル基質であるシクロペンタノールとスルホニルアジドから、目的物であるアジド基を有する鎖状化合物を低収率ながら単離することができた。当該年度は更なる条件検討を重ねたが、収率の大幅な改善には至らなかった。収率が向上しない原因として、スルホニルアジドが光触媒からの一電子還元やエネルギー移動などの望まぬ反応を受けている可能性があると推察した。その妥当性の確認とスルホニルアジドの合成素子としての有用性の拡充を目的に、以下に示す2つの反応を追加で検討した。 (2) S-イミノ化反応:光触媒からのスルホニルアジドへのエネルギー移動を利用して、スルフィドからスルホキシドの窒素アナログであるスルフィルイミンを合成する手法を確立した。最適反応条件を用いて基質一般性を調査したところ、本反応は高い官能基許容性を有することが明らかになった。そこで、本反応の創薬研究への応用を志向して、医薬品の後期修飾に応用した。スルホニルアジドへのエネルギー移動により、三重項ナイトレンが生成するという反応機構を想定している。そのような従来法とは異なる活性種を利用することで、高い官能基許容性を有するスルフィルイミン合成法を開発することができた。 (3) ジエンのアジドスルホニル化反応:光触媒によるスルホニルアジドの一電子還元を利用して、1,6-ジエンの環化を伴うアジドスルホニル化反応の開発を検討した。高い還元力を有する光触媒を利用した際に、目的物を良好な収率で単離することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収率に改善の余地が残るものの、結果を考察する中で、当初は予期していなかったスルホニルアジドの新たな反応を複数開発することができたため。新たに見出したS-イミノ化反応に関しては、反応条件の最適化や基質一般性の調査が完了しており、近いうちに論文として発表できる段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
環状アルコールの開環を伴うアジド化反応では、鍵となるアルコキシラジカル中間体の発生法を変更する。これまで金属アルコキシ錯体のLMCT遷移を検討していたが、超原子価ヨウ素等を用いてアルコールを活性化する方法を検討する。 S-イミノ化反応においては、溶媒検討の際にDMSOがイミノ化された副生物を単離したことから、スルフィドだけでなく、スルホキシドも本反応の基質となることが示唆された。そこで、スルホキシドを基質とした反応の最適条件を確立し、基質一般性を調査する。また基質であるスルホキシドはキラルな化合物であるため、光学活性な原料を用いた際に不斉情報が生成物に転写されるかどうか調査する。 ジエンのアジドスルホニル化反応においては、反応条件の最適化と基質一般性の調査を行う。
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