研究課題/領域番号 |
22K15300
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
下川 隆臣 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (40737764)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ポドサイト / タンパク尿 / ノルアドレナリン / アドレナリンα2受容体 / アドレナリンα2C受容体 / 慢性腎臓病 / 腎障害 / 交感神経 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病は、国民病の1つに数えられ、わが国の透析導入患者数は増加の一途をたどっているが、未だ根本的な治療法は確立されていない。腎障害では腎交感神経の活動亢進が起こり、腎機能障害を増悪することが知られている。しかし、腎に発現するアドレナリンα2受容体の役割は明らかになっていない。本研究では、アドレナリンα2受容体を発現するポドサイトに注目し、腎障害に対するアドレナリンα2受容体の機能を解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、ポドサイト特異的な腎障害モデルを作製し、アドレナリンα2受容体拮抗薬または選択的アドレナリンα2C受容体拮抗薬による腎機能障害に対する効果を検討した。ピューロマイシンアミノヌクレオシドをラットに投与し、ポドサイト障害を誘発した。ピューロマイシンアミノヌクレオシド腎症ラットにアドレナリンα2受容体拮抗薬拮抗薬ヨヒンビンを自由飲水させ、ポドサイト障害における効果を検討した。ヨヒンビンを飲水させたラットでは、タンパク尿が減少し、低タンパク血漿を改善した。次に、ポドサイトスリット膜構築タンパクであるpodosinやnephrinの発現におけるヨヒンビンの効果をウエスタンブロット法および免疫染色法を用いて検討した。ピューロマイシンアミノヌクレオシド腎症ラットでは、podosinやnephrinの発現は低下していたが、ヨヒンビンを投与したラットでは、podosinやnephrinの発現低下は抑制された。また、ピューロマイシンアミノヌクレオシド腎症におけるポドサイトのアポトーシスに対するヨヒンビンの効果について検討した。TUNEL染色法を用いてTUNEL陽性細胞数を計測したところ、ヨヒンビンを投与したラットでは、TUNEL陽性細胞数が減少した。現在、アドレナリンα2C受容体拮抗薬JP-1302をピューロマイシンアミノヌクレオシド腎症ラットに投与し、ポドサイト障害に対する効果を検討している。JP-1302を投与したラットにおいてもタンパク尿が減少し、低タンパク血漿を改善した。以上のことからアドレナリンα2受容体はポドサイト障害に関係することが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アドレナリンα2C受容体がポドサイト障害に関与している可能性が示唆されたため。
|
今後の研究の推進方策 |
ピューロマイシンアミノヌクレオシド腎症ラットにおけるアドレナリンα2C受容体拮抗薬JP-1302のポドサイト保護的に作用する詳細なメカニズムを解明する。また、本モデルラットにおいて尿中ノルアドレナリン排泄量が増加していることが確認できているため、腎交感神経除神経術を行い、除神経によるポドサイト障害に対する効果を検討する。
|