研究課題/領域番号 |
22K15310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齋藤 佳敬 北海道大学, 大学病院, 薬剤師 (00835001)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | シスプラチン / 糖尿病 / 腎障害 / 抗酸化物質 |
研究開始時の研究の概要 |
シスプラチン(CDDP)起因性腎障害(CDDP-induced nephrotoxicity; CIN)は申請者らの研究を含めた予防法の向上によりその出現率が顕著に減少した.しかしながら,現行のCIN予防策を講じても一定の割合でCINの発症を経験する.本検討では1)現行の予防法と併用可能な新規CIN予防・軽減法の探索,2)CINの高リスクである糖尿病合併患者におけるCIN誘発因子およびCIN病態の検討の2点に着目し,さらなるCIN予防方策の考案に取り組みたい.
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研究実績の概要 |
本研究では糖尿病合併患者におけるシスプラチン(CDDP)起因性腎障害(CIN)の出現に関して検討を進めている。本研究遂行の根拠となった我々の前検討では糖尿病の合併がCIN出現のリスク因子として副次的に抽出されたのみで検出力不足が問題であったことから、まず糖尿病患者においてCINが有意に高頻度で出現するかを主評価項目として臨床研究を実施した。 75 mg/m2以上のCDDPを含むレジメンを投与された肺がん患者227名を対象とした。CDDP投与開始時点で薬物療法を要する糖尿病合併患者群(37名)と糖尿病を有さないコントロール群(190名)間でCINの出現頻度を比較した。CINは以前の検討と同様にCTCAE v.5.0におけるグレード2以上の血清クレアチニン上昇と定義した。さらに傾向スコア分析を用いて患者背景を調整した患者群間でも同様の検討を実施した。 その結果、CINの出現率はコントロール群では6.8%、糖尿病合併群では27.0%であり、糖尿病の合併が有意にCINの出現率を上昇することが示された(P=0.001)。また、クレアチニンクリアランスの低下割合も糖尿病合併群で有意に大きいことが示された(P=0.04)。傾向スコア分析により患者背景のバランスをとった患者群においても同様の結果が得られた。 また、ロジスティック解析を用いた多変量解析でも糖尿病の合併がCIN発症の有意なリスク因子として抽出された(オッズ比4.31、95%信頼区間1.62-11.50、 P=0.003)。 基礎研究では正常ラット腎細胞株であるNRK-52E細胞を用いて高グルコース培地(D-グルコース25 mM)と通常グルコース培地(D-グルコース 5.5 mM)下でのCDDP添加による細胞生存率を検討したが、両条件下での生存率に差は認められず、高血糖自体がCIN悪化に直接関与しないことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに進捗している。多施設共同研究も目標必要症例数150例のうち120例が集積できている。基礎研究もpreliminaryな検討が順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は糖尿病の合併ならびに糖尿病薬の併用がCINにどのような影響を与えるかについてin vitro,in vivoで検討予定である。抗酸化物質がCINに与える影響については現在in vitroで検討中であり,薬剤のスクリーニング後に糖尿病の結果と併せて検討を進める予定である。 臨床研究は2023年度中には解析終了ならびに論文投稿が可能と考えられる。
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