研究課題/領域番号 |
22K15323
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
綿野 亮太 自治医科大学, 医学部, 助教 (60883915)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / AAVベクター / 中和抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療の臨床応用が進んでいる。しかし、AAVキャプシド中和抗体はその効果を著しく抑制することが課題となっている。AAV自然感染によりヒトの約半数はAAVキャプシド中和抗体陽性とされ、遺伝子治療の対象は陰性者に限られる。そこで本研究は、これまで遺伝子治療の対象外とされてきた中和抗体陽性者に対し、開発中の中和抗体回避法の実用化を待つことなく、現行の方法で効果発現可能な遺伝子治療法の開発を目指す。本研究成果は、AAVキャプシド中和抗体陽性者に対するAAVベクターを用いた遺伝子治療法の最適化の基盤となり、遺伝子治療の適応拡大に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、これまで遺伝子治療の対象外とされてきたAAVキャプシド中和抗体陽性者に対し、開発中の中和抗体回避法の実用化を待つことなく、現行の方法で効果発現可能な遺伝子治療法の開発を目的とする。2023年度は以下の検討を行った。 1)AAVキャプシドに対する中和抗体価を従来の方法より感度よく定量できる新規中和抗体測定法の開発を行った。一般的に入手可能なHEK293細胞やHuh-7細胞を用いた中和抗体測定法において、発光量の高いレポーター遺伝子を搭載したAAVベクターを細胞に感染させ、感染誘導試薬のグルコースを添加することで、従来よりも細胞当たりのウイルスベクター量を抑えた中和抗体測定法を確立した。遺伝子治療での有用性が高いAAV5、AAV9ベクターにおいて、従来の中和抗体測定法よりもAAVキャプシドに対する中和抗体の測定感度が高くなることを確認した。 2)AAVキャプシド中和抗体陽性マウスの作製と、肝臓で遺伝子発現可能な中和抗体価の上限の明確化に向けた検討を行った。C57BL6/Jマウスに市販のヒト免疫グロブリン製剤を投与し、目的の中和抗体価を持つAAVキャプシド中和抗体陽性マウスを作製した。目的の中和抗体価を持つマウスにレポーター遺伝子を搭載したAAVベクターを低用量、中等量、または高用量血管内投与し、投与量ごとに、肝臓での遺伝子発現と中和抗体価の関係を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、中和抗体測定感度の高い新規中和抗体測定法の確立、中和抗体陽性マウスの作製を行った。また、AAVキャプシド中和抗体陽性マウスにAAVベクターを投与し、遺伝子発現と中和抗体価の関係の確認を行った。本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、AAVキャプシド中和抗体陽性個体でも遺伝子発現可能なAAVベクターの投与条件の検討を行う予定である。
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