研究課題/領域番号 |
22K15329
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
後藤 将太朗 福岡大学, 薬学部, 助教 (70825108)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ビタミンK / EGFR阻害剤 / プロドラッグ / 皮膚障害 / 皮膚外用剤 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor ; EGFR)を標的とした抗癌剤は、皮膚障害の副作用が高頻度で出現する。近年、皮膚障害に対する新たな治療・予防薬として、キノン型ビタミンKの局所製剤が候補として報告されたが、ビタミンKは光に不安定であるため、皮膚外用剤としての使用には課題があった。申請者はこれまでに、光に安定な活性型ビタミンK(VKH)誘導体の開発し、in vitroモデルにおいて、キノン型ビタミンKと同等以上の炎症性ケモカイン生成抑制効果を示すことを明らかにした。本研究では、VKH誘導体の皮膚障害モデルマウスへの有効性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor ; EGFR)を標的とした薬剤は、固形がんの治療に広く利用されているが、皮膚障害の副作用が高頻度で出現する。重度の皮膚障害は、患者のコンプライアンスやQOLに影響を与え、治療薬の減量や中断を招く可能性があり、皮膚障害への対策は必須である。 近年、キノン型であるビタミンKの局所製剤が臨床試験においてEGFR阻害剤誘発性皮膚障害の予防効果を示すことが報告されたが、ビタミンKには光分解および光毒性の性質があり、皮膚外用としての使用に課題がある。 申請者らは光に安定な活性型ビタミンK(VKH)誘導体の開発に成功したことで、皮膚適用への実現に近づいた。さらに、皮膚表皮角化細胞において、VKH誘導体はキノン型ビタミンKと同等以上の炎症性ケモカイン生成抑制効果を示すことを明らかにした。本研究では、さらなる展開としてVKH誘導体の皮膚障害モデル動物への有効性を明らかにする。 本年度は、SDラットを使用し、皮膚障害モデルの作成を試みた。SDラットの後背部を動物用バリカンで除毛し、Gefitinib(200mg/kg/day)の14日間経口投与を行った。投与期間終了後に安楽死させ、背部皮膚を切除した。皮膚中のRNAを抽出し、逆転写後にリアルタイムPCRを行ったところ、EGFR 阻害剤により誘導されるケモカイン発現が増加したため、以降の実験では上記の条件で皮膚障害モデルを作成することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の記載どおり、皮膚障害モデル動物の作成条件の検討については概ね終了した。R5年度に実施予定のVKH誘導体の塗布に使用する基剤の選択や、皮膚組織切片の形態学的評価についても現在取り掛かっている段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の研究で皮膚障害モデルの作成条件が決定したので、R5年度は皮膚障害に対するVKH誘導体の効果評価を行う。評価方法としては、経表皮水分蒸発量、皮膚組織切片のHE染色による形態学的評価、皮膚組織中の炎症関連因子に対する評価を実施する。さらに皮膚組織中のEGFR阻害剤およびVKH濃度を測定することで、各薬物の送達性から効果メカニズムを考察する。
|