研究課題/領域番号 |
22K15330
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
宮内 優 崇城大学, 薬学部, 講師 (50799947)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | シトクロムP450 / 活性酸素種 / 糖化産物 / 肝障害 / 肝臓 / 酵素誘導 / 肝疾患 / エピソーマルベクター / エレクトロポレーション / 終末糖化産物 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓に局在する薬物代謝酵素、シトクロムP450(CYP)は生活習慣や生活環境によりその発現量が大きく上昇する。CYP誘導物質への慢性的な曝露は肝硬変や肝臓がんといった重篤な肝障害を引き起こすが、その詳細な機序は明らかになっていない。本研究では、「CYPが活性酸素種の産生を介して肝細胞の終末糖化産物に対する感受性を上昇させる」という新規仮説を検証することでその機構解明を目指す。本研究成果は多様な化合物に由来する肝障害のリスクを大きく軽減し、健康促進に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、薬物代謝酵素シトクロムP450(CYP)による肝障害惹起の機序として、糖化産物に対する感受性の上昇に着目した解析を検討した。CYPが誘導されたモデルとして、アフリカミドリザル腎由来のCOS-1細胞を用いたCYP3A4の安定発現系の構築を行った。本発現系を用いて、糖化産物処理による細胞内シグナルの変動などを解析していく予定である。また、糖化産物の毒性そのものに着目した検討では、糖化産物ジヒドロピラジンと他の主要な糖化産物との比較解析を行った。その結果、ジヒドロピラジンは他の糖化産物よりも高い活性酸素種の放出能を示し、これが顕著な細胞毒性につながることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特定の医薬品や環境汚染物質に曝露することで、肝臓におけるCYPの量は著しく増加する。CYPによる肝障害惹起のメカニズムとしては、副反応の産物である活性酸素種が着目されがちだが、アスコルビン酸のような抗酸化物質の併用だけでは肝障害を十分に予防することができないため、別の因子の寄与が予想される。本研究で着目した糖化産物は、食事により日常的に体内に取り込まれており、糖化産物に対する感受性の上昇はCYPによる肝障害惹起における新たなファクターとして期待される。
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