研究課題/領域番号 |
22K15335
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 実紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10903007)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 医薬品と脳出血 / 因果関係評価 / 医薬品安全対策 / 副作用因果関係評価 / リアルワールドデータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、カルテ情報や規制当局に寄せられる副作用報告等のリアルワールドデータを利活用して、迅速で効率的な医薬品安全対策やレギュラトリーサイエンスの発展に貢献することである。わが国で医薬品の副作用が疑われた重篤症例は規制当局である医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告されるが、その多くが「情報不足のため因果関係が評価できない」とされており、医薬品の安全対策につながりにくい状況にある。本研究では、申請者が開発した因果関係評価アルゴリズムの有用性を、実臨床データを用いて検証し、PMDAにおける因果関係評価の効率化や、製薬企業や臨床現場で作成される副作用報告の質の向上を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度に実施した主な内容は、次の2点である。「1.病院の電子カルテ情報を用いた、アルゴリズム有用性の探索的検証」「2.規制当局データベース情報を用いた、因果関係評価実施」。以下具体的に説明する。
1.病院の電子カルテ情報を用いた、アルゴリズム有用性の探索的検証:2020年1月1日から12月31日の日付で、電子カルテ上に死亡届が登録されているか、もしくは、「転帰死亡」として登録されている症例を抽出し、電子カルテを閲覧した。最後の入院期間中(または入院直前の外来で)、頭部画像検査(CTまたはMRI)を実施した症例を抽出した。頭部画像検査が実施された症例について、読影レポートを閲覧し、頭蓋内に何らかの出血が指摘されている症例を抽出した。脳外科医2人が、3種類の因果関係評価方法を用いて24症例の評価を実施した。実施結果は第82回日本脳神経外科学会総会および第44回日本臨床薬理学会学術総会で報告し、更に、論文発表もおこなった(OHTA, Miki, et al. Causality Assessment Between Drugs and Fatal Cerebral Haemorrhage Using Electronic Medical Records: Comparative Evaluation of Disease-Specific and Conventional Methods. Drugs-Real World Outcomes, 2024, 1-9.)
2.規制当局データベース情報を用いた、因果関係評価実施:JADERを用いて、2019年下半期に報告された転帰死亡の脳出血症例を抽出した。PMDAの調査員3人が3種類の因果関係方法を用いて症例を評価した。結果を解析した(未公表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サブB研究(病院の電子カルテ情報を用いた検証)については概ね予定通りに進み、論文作成に至ったが、サブA研究(PMDA内データベースに集積している副作用報告を用いた検証)については、新型コロナ感染症に関する業務増加にともない、機構職員による因果関係評価が困難であった。症例数を予定よりも大幅に削減し、2023年度末までに評価を終了した。2024年度で解析を実施する予定。 以上より、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、規制当局の職員による因果関係評価結果を解析し、学会発表および論文発表を目指す。さらに、病院の電子カルテ情報を用いた検証は、症例数を増やし、また、脳神経外科専門医以外の医療従事者による評価を試みる。 上記が終了した後、脳出血以外の事象への応用や、MID-NETやSS-MIX2の利活用について、検討を実施する。
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