研究課題/領域番号 |
22K15339
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2023) 岡山大学 (2022) |
研究代表者 |
牛尾 聡一郎 福岡大学, 薬学部, 助教 (80939893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 漢方薬 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤などを用いたがん免疫療法の奏効率は、20%前後と十分でなく、致死的な免疫関連有害事象を生じることが問題となっている。一方、漢方薬には免疫惹起作用や炎症抑制作用を介して薬効を発現することが知られている。つまり、がん免疫療法に対してそれらの漢方薬は、効果の増強または副作用の軽減に働くのではないかと考えられる。しかしながら、漢方薬の複数の標的分子に作用するそのメカニズムの解明は非常に困難である。そこで本研究では、リアルワールドデータを起点とし、化合物データベース解析および基礎薬理学的検討より、がん免疫療法を安全に、そして増強させる漢方薬併用療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤は、がんが免疫系から逃避するために獲得した免疫チェックポイント分子を阻害することによって抗腫瘍効果を発揮する。免疫チェックポイント阻害剤を用いたがん免疫療法の奏効率は20-30%と決して高いものではなく、治療効果を高める薬剤との併用療法の開発が急務である。さらに免疫チェックポイント阻害剤は致死的な免疫関連有害事象(irAE)を生じることから、irAEに対する予防法・治療法の確立についても喫緊の課題である。一方、漢方薬には免疫惹起作用や炎症抑制作用を介して薬効を発現することが知られている。つまり、がん免疫療法に対してそれらの漢方薬は、効果の増強または副作用の軽減に働くのではないかと考えられる。しかしながら、漢方薬は超多成分薬剤であり、複数の標的分子に作用するそのメカニズムの解明は非常に困難である。そこで本研究では、リアルワールドデータを起点とし、化合物データベース解析および基礎薬理学的検討より、がん免疫療法を安全に、そして増強させる漢方薬併用療法の確立を目指す。本年度は、漢方薬の統合データベースより補中益気湯を候補漢方薬として、3つのレセプトデータを用いて解析を行った。またマクロファージ細胞を用いた検討より、補中益気湯の免疫反応に対する作用に着目し、マルチプレックスアッセイを行った。その結果、補中益気湯の反復投与によって炎症病態時には血清の炎症性サイトカインの有意な低下が認められた。今後は、モデルマウスの行動学的評価および組織解析によってがん免疫療法における副作用に着目して詳細な機序解明に取り組む計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は、モデルマウスを使って漢方薬の効果の検証を予定していた。しかしながら研究代表者の所属施設が変わったことにより、動物実験の実施体制が構築できておらず、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、がん免疫療法の副作用軽減作用に着目して下記の研究を展開する。 1.候補漢方薬の探索 3つのレセプトデータを用いて引き続き候補漢方薬の探索を行う。 2.モデルマウスを用いた機序解明 漢方薬の中でも補中益気湯を解析対象とする。令和5年度に実施できなかったモデルマウスを用いた検討を中心に実施する。行動学的評価および組織解析によって作用機序解明を行う予定である。
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