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血管内皮障害に着目した薬剤性腎障害の発症機序の解明と新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K15342
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

山田 悠人  岐阜薬科大学, 薬学部, 客員共同研究員 (80775172)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードシスプラチン / 腎障害 / グリコカリックス / 血管内皮
研究開始時の研究の概要

本研究は血管内皮細胞の内膜面に存在する糖類や糖たんぱく質で構成されるグリコカリックスに着目し、抗悪性腫瘍薬であるシスプラチンによる薬剤性腎障害の発生メカニズムを解明する。また、グリコカリックスの脱落を抑制・改善する薬剤を探索し、さらには脱落したグリコカリックスの成分の血中濃度と腎障害の発症および重症度の関連性を明らかにことで、薬剤性腎障害に対する新規の診断法や予防・治療法の確立する。

研究実績の概要

本研究はシスプラチンによる薬剤性腎障害の発症メカニズムについて、血管内腔のグリコカリックス(GLX)に着目し、GLXの脱落が薬剤性腎障害の発症および重篤化に及ぼす影響について検討するものであり、そのための血中・尿中・組織中のシスプラチン濃度測定系の構築を2023年度も行った。
昨年度より、シスプラチンそのものをHPLC-MS/MSで測定することは目標とする感度を得られないことから、今年度は誘導体化合物であるジエチルジチオカルバミン酸(DDTC)に注目し、感度の向上を目指した。移動相には0.1%ギ酸水溶液とアセトニトリルを用い、C18カラムを用いた逆相クロマトグラフィーで分離を行った。まず、シスプラチン溶液を0.1%NaOHで調製した1%(v/v)DTCC溶液に添加し、40℃の湯浴で30分反応させて誘導体化シスプラチン(Pt-DDTC化合物)を作成した。MS/MSの検出にはMRM法を用い、質量イオン比m/z=492→116で設定した。その結果、1μg/mLに調製したシスプラチンのPt-DDTC化合物のピークが得られた。次に、血中、尿中、組織中サンプルの前処理としてアセトニトリルによる徐タンパク法を用い、検量線を作成した。その結果、血中および尿中サンプルはシスプラチンとして0.1~10μg/mLの範囲で良好な直線性(R>0.99)が得られた。一方、同一条件で組織中のシスプラチン濃度は1μg/gでもピークが得られず、DTCC溶液濃度や反応時間を変えてもPt-DDTC化合物のピークは得られなかった。組織中に含まれる夾雑物によりDDTCによる誘導体化の効率が悪いことが考えらえれた。
以上より、シスプラチンの血中、尿中測定方法は確立できたが、組織中のシスプラチンの濃度測定系はいまだ確立できていない。組織中のシスプラチン濃度測定にはICP-MSを用いた測定を現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

これまでの文献報告を参考にすれば、十分な感度が得られるHPLC-MS/MSを用いたシスプラチンの血中・組織・尿中測定系の構築が可能であることを見越していたが、文献通りの感度を再現できず、シスプラチン測定系の構築に難渋している。

今後の研究の推進方策

シスプラチンの組織中濃度測定系の確立まで至っていない。ICP-MSを用いた測定方法へ変更も検討している。ICP-MSを用いた測定方法で濃度測定は可能であることを確認しているが、外注による測定になるため、ランニングコストが非常に高くなることが予想される。
当初の研究計画では、シスプラチンの腎障害発症メカニズムの解明と、血管内皮保護作用を有する薬剤による腎障害の予防効果について検討する予定であったが、時間的、金銭的な側面から腎障害の予防効果について検討することが難しいことが予想される。まずは、シスプラチンの腎障害発症メカニズムについて解明していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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