研究課題/領域番号 |
22K15352
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
溝神 文博 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 薬物治療管理主任 (80574384)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬剤起因性老年症候群 / 機械学習 / ポリファーマシー / 処方カスケード |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は加齢とともに疾患数が増加し、ポリファーマシーに陥りやすく、薬物有害事象の発生頻度が高く、とりわけ薬剤起因性老年症候群(転倒・骨折、食欲不振など)と言われる疾患と区別がつきにくい症状が発現しやすい。薬剤起因性老年症候群は添付文書にも記載がされていないことが多う、患者における薬剤起因性老年症候群の評価方法を確立することは薬物療法の安全性担保の観点から非常に重要な課題である。本研究は主に、機械学習(AI)を用いた薬剤起因性老年症候群の新規発生予測アルゴリズムの開発を行う。必要な研究として、薬剤起因性老年症候群のシステマティックレビュー、薬剤起因性老年症候群の患者背景の解析を行う予定である。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本における高齢者の薬剤起因性老年症候群(GSAM)と処方カスケードに焦点を当て、保険請求データを用いた解析を行った。2018年10月から2019年3月にかけて、13万7781人の高齢外来患者を対象に、GSAMの発生傾向とその影響を調査。GSAM疑いがあるグループ(p-GSAM)では、使用された薬剤により食欲不振が顕著に多く見られ、GSグループと比較して平均処方数が明らかに高かった(8.8件対4.5件、p<0.01)。 解析の結果、p-GSAMグループの食欲不振の発生率は18.7%に達し、このグループでは処方カスケードが疑われる事例が全体の33.9%にも上りました。これらの知見は、高齢者における薬剤の安全な使用と処方カスケードの防止策開発のための重要な基盤を提供するものとなった。 本研究を通じて、薬剤に起因する可能性がある老年症候群とその後の追加処方のリスクについての認識を深めることができた。現在、これらの結果を基に、機械学習モデルの確率に向けてアルゴリズムの開発を行っている。予備的な調査研究が終わり、レセプトデータ解析を行い、薬剤起因性老年症候群の発生頻度の解析を行った。さらにレセプトデータを用いた試作段階ではあるが、機械学習(AI)を用いた薬剤起因性老年症候群の新規発生予測アルゴリズムの開発が行えており、順調に進んでいる。また論文等も投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた薬剤起因性老年症候群の発生頻度の解析を行った。ところ予想している結果が得られた。また、レセプトデータを用いた機械学習モデルの試作段階までこぎつけた。機械学習(AI)を用いた薬剤起因性老年症候群の新規発生予測アルゴリズムの開発が行えており、順調に進んでいる。また論文等も投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
薬剤起因性老年症候群の症状として約50種類ほど考えられるが、代表的な症状を7つほどに絞り、各症状の予測モデルを構築する予定である。モデルの予測精度の評価指標に再現率、適合率、最大F値、ROC-AUC(ROC 曲線下の面積)、PR-AUC(Precision-Recall 曲線下の面積)を使用する予定であり、SHAP(SHapley Additive exPlanations)を用いてモデルの予測の解釈を行う。
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