研究課題/領域番号 |
22K15361
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
原田 恭弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70911402)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ALK1シグナル / VEGFシグナル / シグナル間相互作用 / 血管発生 / 内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ALK1シグナル伝達系の受容体・リガンド・関連因子の遺伝子変異はオスラー病・肺動脈性肺高血圧症などの原因・素因となる。ALK1シグナル欠損がVEGFシグナルの過剰な活性化を誘発させることが知られるが、ALK1シグナル下流でVEGFシグナルを直接的に制御する因子は不明のままである。申請者らは新規 ALK1シグナル下流遺伝子の網羅的探索を行い、ALK1シグナルによって発現制御を受ける様々な遺伝子の血管発生における意義を検討している。本研究では、ALK1シグナル・VEGFシグナルの相互作用の分子メカニズムにおけるALK1シグナル下流遺伝子群の意義を明らかにすることを試みる。
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研究実績の概要 |
血管シグナル伝達異常は先天性心血管疾患や難治性血管病の発症に直結し、虚血性疾患・癌における病的血管新生にも関与する。ALK1シグナル伝達系の受容体・リガンド・関連因子の遺伝子変異はオスラー病・肺動脈性肺高血圧症などの原因・素因となり、ALK1シグナル欠損がVEGFシグナルの過剰な活性化を誘発させることが明らかになっているが、ALK1シグナル下流でVEGFシグナルの抑制を直接的に制御する因子は不明のままである。申請者らはALK1シグナルによって発現亢進を示す下流遺伝子群の網羅的探索を行い、新規下流因子、かつ初めてのリン酸化酵素としてSGK1を同定した。本研究では、現在進行中の血管内皮細胞における新規SGK1基質探索の結果を踏まえ、特にALK1シグナルとVEGFシグナルとの相互作用に注目して、SGK1とSGK1基質の内皮細胞機能制御における意義を明らかにすることを試みる。本研究で明らかになる分子メカニズムは、オスラー病などのALK1シグナル関連心血管病の発症機序を明らかにし、新規の治療ターゲットの同定にも繋がることが期待される。 培養血管内皮細胞HUVECにおける活性化型SGK1の強制発現を行い、リン酸化プロテオーム解析および個別解析によってVEGFシグナル下流因子群のリン酸化による活性化の低下を確認した。この結果は、SGK1によるVEGFシグナル全体に対する抑制機構の存在を示唆するものであり、今後も個別検証を継続する。また、リン酸化プロテオーム解析の結果、恒常活性型によってSGK1コンセンサス配列(R-X-R-X-X-S/T)にリン酸化を生じた19種類の新規基質候補を見出した。これらリン酸化サイトの機能はいずれも未知であった。基質候補について個別のin vitro kinase assayによる検証を行い、内皮SGK1の新規基質同定を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SGK1によるVEGFシグナル全体に対する抑制機構の存在を示唆するデータが複数得られているため、「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
培養血管内皮細胞HUVECにおける活性化型SGK1の強制発現を行ったリン酸化プロテオーム解析および個別検証を継続して行い、、SGK1によるVEGFシグナル全体に対する抑制機構の存在を検証する。また、リン酸化プロテオーム解析から見出された19種類の新規基質候補について、これらリン酸化サイトの機能はいずれも未知であるため、個別のin vitro kinase assayによる検証を行い、内皮SGK1の新規基質同定を試みる。
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