研究課題/領域番号 |
22K15367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
石井 秀弥 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 研究員 (10880651)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 筋肉 / 体温 / 骨格筋 / 筋収縮 / 温度センサー / 熱筋収縮メカニズム / 局所加熱 / 心筋 / 筋収縮制御 / 心筋収縮制御 / 温度生理学 / ダイヤモンドNVセンター / 量子センシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、心筋収縮中の体温ひいては温度の役割に着目し、「哺乳動物の筋収縮制御はどの様に行われているか?そのとき体温はどのように利用されているか?」を解明することを目標に、心筋の筋収縮に関連するタンパク質一分子から細胞の階層にかけて、筋収縮時の温度や活動電位を計測・評価する。さらに所属機関で開発中の、温度や磁場が同時に高感度で計測出来るダイヤモンド半導体を用いた高機能センサーを用いて、その材料評価や作成技術と組み合わせることで、新たな生命現象の計測技術基盤の構築、さらに「心筋熱生理学」の創成を目指す。
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研究成果の概要 |
骨格筋と心筋それぞれの筋収縮システムを精製タンパク質を用いて再構成し、それらの温度感受性を評価した。その結果、骨格筋と心筋の間で制御タンパク質が活性化する温度の違いがあること、そして心筋よりも骨格筋収縮システムの方が体温付近の温度上昇に敏感であることを示す結果が得られた。今回得られた知見から常に拍動している心臓とは異なり、骨格筋には必要な時に瞬時に力を出すために適した機能を持つことが示唆された。本研究結果は、国際学術誌に掲載され、共同研究機関とプレスリリースを行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、骨格筋の筋収縮における体温の役割を明らかにした。特に運動前のウォーミングアップによって、筋肉を予め活性化することでパフォーマンスを高めていると考えることができる。 筋肉収縮により産生された熱が環境へ散逸する過程では、体温が上昇するだけでなく、筋収縮システムそのものに影響し、その働きを補助したり、制御しているのではないかという仮説を立て、これを実験的に検証した。これまでCa2+シグナルに基づいた医療機器開発や筋トレーニング・リハビリテーションの技術開発が進んできたように、本成果は温度シグナルに基づいた新しい温熱療法、健康医療のための技術開発の扉を開くことが期待される。
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