研究課題/領域番号 |
22K15404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大谷 真紀 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (40837077)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 / リンパ腫 / EBウイルス / 自然退縮 |
研究開始時の研究の概要 |
MTX-LPDの自然退縮と関連する生物学的特徴を解明するため、1) パラフィンブロックを用いた免疫組織学的解析と、2)Epstain-Barrウイルス(EBV)を感染させたリンパ芽球様細胞株(EBV-LCL)を用いたエピジェネティックな変化について解析する。さらに、EBV-LCLを用いた EBV陽性 MTX-LPD発症のモデル細胞系の構築を目指し、サイトカインや MTXと EBV-LCLの共培養にて条件検討を行う。 本研究により MTX-LPDの発症と自然退縮にかかわる生物学的機序の一端を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)には、病理組織学的にも遺伝学的にも明らかに悪性と考えられる特徴を示しながら、 MTX投与中止のみで自然退縮する症例が見られる。病理組織学的診断から予測される病態予後と相違が生じており、MTX-LPDが自然退縮する生物学的機序の解明が求められている。本研究では、MTX-LPDの自然退縮と関連する生物学的特徴を解明するため、1)パラフィンブロックを用いた免疫組織学的解析、2) Epstain-Barrウイルス(EBV)を感染させたリンパ芽球様細胞株(EBV-LCL)を用いたエピジェネティックな変化について解析する予定とした。 2023年度は、前年度に引き続き、MTX-LPD病理組織標本を用いて免疫染色を行った。まずは前年度に用いたものより良好な染色性の得られた他クローンを用いた CD4の免疫染色を行い、陽性細胞数のカウントが可能な染色性を得ることができた。症例によって CD4陽性細胞数に差異があることがわかった。また、前年度に条件検討の終了していた核内転写因子である Foxp3、T細胞に発現する PD-1の免疫染色も行い、こちらについても陽性細胞数のカウントが可能な染色性を得ることができ、陽性細胞数のカウントと解析を進めている。 Epstain-Barrウイルス(EBV)を感染させたリンパ芽球様細胞株(EBV-LCL)を用いた解析については、活性酸素処理でアポトーシスを誘導しつつ培養を行い解析に必要な凍結細胞を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
パラフィンブロックを用いた免疫組織学的解析については、順次症例の組織標本を用いた染色と結果の解析を進めることができた。 EBV-LCLを用いた細胞培養実験と解析については、活性酸素処理でアポトーシスを誘導しつつ培養を行い解析に必要な凍結細胞を得ることができたが、2023年度は自身と家族の新型コロナウイルス感染に伴い、凍結細胞の解析や再度の長期培養を行うことができなかったため、当初の計画より遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
パラフィンブロックを用いた免疫組織学的解析については、2022・2023年度に引き続き、B細胞分化に関わるマーカーや CD56などの分化抗原を含め数種類の抗体を用いた免疫染色を予定している。加えて、組織サンプルからのDNA抽出、5-hmCの解析についても検討を行う予定である。 EBVLCLを用いた細胞培養実験については、凍結保存した培養細胞試料を用いて 5-hmCの解析を行う予定である。さらに、MTX-LPDの進展や退縮との関与が疑われる種々の炎症性サイトカインや MTXとのEBV-LCLの共培養を行い、長期培養をすることができれば、解析のための培養細胞試料を凍結保存する予定である。
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