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硝子血管型キャッスルマン病における分子遺伝学的特徴の解明と新規診断マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K15405
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分49020:人体病理学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

西村 碧フィリーズ  岡山大学, 保健学域, 講師 (80931568)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードキャッスルマン病 / 単中心性 / 硝子血管型 / RNA-Seq / Castleman disease / 硝子血管型単中心性キャッスルマン病 / 網羅的遺伝子解析 / 新規診断マーカー
研究開始時の研究の概要

Castleman病(CD)は稀なリンパ増殖性疾患で,一定の組織学的特徴を共有しながらも全く異なる臨床病型を示す複数の亜型から成る. 亜型毎に症状や予後が異なるが,有用な診断マーカーの欠如から診療に混乱が生じている.中でも,約70年前に報告された硝子血管型単中心性CD(HV-UCD)は,病態が未解明で診断マーカーも存在しない.
本研究では,HV-UCDと対照群に網羅的遺伝子解析を行い, HV-UCDに特徴的な発現を示す遺伝子群を抽出することで,病態の解明及び新規診断マーカーの発見を目的としている.また,他のCD亜型と比較することで亜型分類を整理し,診断アルゴリズム及び治療方針の確立に繋げたい.

研究実績の概要

硝子血管型単中心性キャッスルマン病(HV-UCD)の凍結保存リンパ節検体(4例)について、反応性リンパ節過形成の凍結保存リンパ節検体(10例)を対照として全トランスクリプトーム解析にて発現変動遺伝子(DEGs)およびPathway解析を行った。
DEGs解析では、immunoglobulin superfamily member 1(IGSF1)、濾胞樹状細胞(FDC)細胞に発現する遺伝子(FDCSP, CXCL13, CLU, CSTAなど)、補体関連遺伝子(C3,CD2など) 、血管新生因子(PGF)、TGFB1I1などの遺伝子の有意な発現亢進がHV-UCDにおいて認められた。Pathway解析では、血管新生、細胞接着、組織構築などに関わるPathwayの亢進がHV-UCDにおいて検出された。
FDCに関連する遺伝子の発現亢進については、組織学的な特徴(dysplastic FDCの出現)と併せ、HV-UCDの病態にFDCが深く関与していることを示唆する結果であった。
血管新生に関わる遺伝子のうち、placenta growth factor(PGF)の発現がHV-UCDで特徴的であると考えられた。PGFやTGFβなどは線維芽細胞の増殖に関連することも知られ、HV-UCDに特徴的な線維の硝子化に関連している可能性も考えられ、さらなる検討に繋げていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者のライフイベントに係る研究中断期間があったため、当初の計画から中断期間分の遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

凍結検体を用いた網羅的遺伝子発現解析を完了し、HV-UCDに特徴的な発現を示す遺伝子群(100遺伝子程度)の抽出を終えた。今後、これらの遺伝子群に対しカスタム遺伝子パネルを作製し、FFPE検体も含めたより多数例についてnCounterによる遺伝子発現解析を行い、これらの遺伝子発現の再現性を検証する。それに併行し、in situ hybridizationや免疫染色を加え、着目する遺伝子の組織における発現の局在を確認するとともに、HV-UCDの病態形成との関連を考察したい。本解析については2024年度の日本リンパ網内系学会で発表予定であり、英語論文での発表を目指している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] IgG4関連疾患と鑑別を要する代表的疾患 ~Castleman病を中心に~2024

    • 著者名/発表者名
      西村碧フィリーズ, 佐藤康晴
    • 雑誌名

      日本臨牀 特集:IgG4関連疾患 ―診断と治療の最近の考え方

      巻: 82 ページ: 413-419

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] hyaline-vascularとhyper-vascular2024

    • 著者名/発表者名
      西村 碧フィリーズ, 佐藤 康晴
    • 雑誌名

      病理形態キーワード2024

      巻: 42 ページ: 00-00

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Historical and pathological overview of Castleman disease2022

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Midori Filiz、Nishimura Yoshito、Nishikori Asami、Yoshino Tadashi、Sato Yasuharu
    • 雑誌名

      Journal of Clinical and Experimental Hematopathology

      巻: 62 号: 2 ページ: 60-72

    • DOI

      10.3960/jslrt.21036

    • ISSN
      1346-4280, 1880-9952
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] キャッスルマン病の歴史と病理2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 康晴, 錦織 亜沙美, 前濱 かんな, 西村 碧フィリーズ
    • 雑誌名

      診断病理

      巻: 39 ページ: 167-172

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Castleman病の歴史的背景とunicentric Castleman disease2022

    • 著者名/発表者名
      西村碧フィリーズ, 錦織亜沙美, 佐藤康晴
    • 雑誌名

      病理と臨床

      巻: 40 ページ: 1122-1127

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 多中心性 Castleman 病の分類と展望2023

    • 著者名/発表者名
      西村碧フィリーズ, 錦織亜沙美, 吉野 正, 佐藤康晴
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 硝子血管型単中心性キャッスルマン病の臨床病理学的特徴~過去20年間の後方視的検討~2022

    • 著者名/発表者名
      西村碧フィリーズ, 錦織亜沙美, 西村義人, 吉野正, 佐藤康晴
    • 学会等名
      第111回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 硝子血管型単中心性キャッスルマン病38例の臨床病理学的特徴の解析2022

    • 著者名/発表者名
      西村 碧フィリーズ, 錦織 亜沙美, 佐藤 康晴
    • 学会等名
      第62回日本リンパ網内系学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 炎症と免疫 vol.31no.5(2023-9月号)2023

    • 著者名/発表者名
      「炎症と免疫」編集委員会
    • 総ページ数
      111
    • 出版者
      先端医学社
    • ISBN
      9784865506068
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] リンパ組織 (非腫瘍性疾患病理アトラス) 担当範囲: Castleman病の分類と単中心性Castleman病2023

    • 著者名/発表者名
      西村碧フィリーズ
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      文光堂
    • ISBN
      4830604913
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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