研究課題/領域番号 |
22K15414
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
眞山 到 北里大学, 医学部, 助教 (70927798)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | REV7 / 乳癌 / Triple negative / バイオマーカー / DNA損傷耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では臨床検体、培養細胞、実験動物を用いて、乳癌組織におけるREV7発現と乳癌の臨床病理学的因子・予後との関連性、乳癌の術前薬物療法の有効性を予測するバイオマーカーとしてのREV7の有用性、培養細胞を用いて乳癌細胞におけるREV7発現の細胞生物学的意義、培養細胞を用いて乳癌細胞の抗癌剤感受性へのREV7発現の影響、担癌マウスを用いて乳癌組織のREV7発現と全身化学療法感受性との関連、以上を明らかにする。
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研究実績の概要 |
近年、乳癌の術前薬物療法が盛んに行われるようになっている。ER、PgR、HER2のバイオマーカーにより臨床的に分類され、術前薬物療法の標準的レジメンが決まっているが、著効例と無効例が認められ、さらにバイオマーカーが全て陰性となるtriple negative乳癌は、術前薬物療法の完全奏効率が低いことから、さらなる個別化医療に繋がる新たなバイオマーカーの開発が望まれている。REV7はDNA損傷耐性機構に大きく関与する蛋白であり、過去の研究にて、REV7の発現は悪性腫瘍の予後と抗癌剤感受性に大きく関与していることが明らかになっている。本研究の目的は、乳癌バイオマーカーとしてのREV7の有用性を明らかにすることである。 現在、本研究において、手術された乳癌切除検体の病理組織標本を用いて抗REV7抗体を用いた免疫組織化学染色、RNAプローブを用いたin situ hybridizationにより、乳癌組織におけるREV7の発現を半定量的に検討し、REV7発現と臨床病理学的事項、組織型、病期、予後との関連を統計学的に解析した。 まず、REV7発現と臨床病理学的事項、組織型、病期、予後との関連については、現在統計解析を行った症例の解析結果にて、有意な関連は認められていない。しかし、triple negativeの乳癌と診断された症例と、triple negative以外の乳癌の症例における乳癌組織のREV7の発現を解析した結果、triple negativeの乳癌組織は、triple negative以外の乳癌組織と比較して有意にREV7の高発現を認めた。 この結果から、triple negativeの乳癌組織はtriple negative以外の乳癌組織と比較して、DNA損傷により引き起こされる細胞死から癌細胞を守る能力が強いと考察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究においては、研究方法として、1)臨床検体を用いた乳癌におけるREV7発現の意義の解析、2)乳癌培養細胞株を用いたREV7発現の細胞生物学的意義の解析、3)実験動物(マウス)を用いたREV7発現の腫瘍生物学的意義の解析、以上の3項目を予定している。 研究計画における研究の流れと実施スケジュールにおいて、1)における、1.乳癌手術検体を用いたREV7発現と臨床病理学的因子・予後との関連の検討、については研究実績の概要にて記載した通りであり、2.乳癌生検検体を用いた術前薬物療法の有効性とREV7発現の関連の検討、についても進めている。しかし、2)についての実施に至っておらず、研究の進捗状況としてはやや遅れがある。原因として、1)において用いた臨床検体の症例数が多いため、免疫組織化学染色の施行、臨床病理学的データの収集、結果の解析に時間がかかったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況にて記載した通り、研究の進捗状況としてはやや遅れがあるが、2)乳癌培養細胞株を用いたREV7発現の細胞生物学的意義の解析、3)実験動物(マウス)を用いたREV7発現の腫瘍生物学的意義の解析、の2項目については、1)の遅れの原因である症例数の多さによる遅延は存在しないため、これ以上の進捗状況の遅れが生じないよう留意したい。 今後の研究については、2)においては、REV7ノックアウト細胞の樹立に利用するCRISPR/Cas9システムは当実験室内で実験系が確立しており、また、本研究にて使用するノックアウトベクターは構築済みで、他の研究でノックアウト細胞が樹立可能であることも確認している。3)においては、マウスの飼育は北里大学医学部遺伝子高次機能解析センターにて行う。担癌マウスの経験者は申請者の研究室内にいるため、実験方法については指導を受ける。
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