配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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研究実績の概要 |
高悪性度神経内分泌癌 (HGNEC)切除検体 (SCLC:37例, LCNEC:46例)を用いASCL1 (-A), NEUROD1(-N), POU2F3(-P), YAP1(-Y), p40, TTF1, NEマーカー (CD56, synaptophysin, chromograninA)の免疫染色を行った。さらに多数のSCLC細胞株のデータからNEを高発現するグループの一部において消化管マーカーであり肺腺癌の一部で発現するHNF4αが高発現することを見出しこれらの免疫染色も行った。その結果SCLC, LCNECをA, N, P, Yの免疫染色を元にサブタイプ分類したところSCLC-Aは20例, LCNEC-Aは24例,SCLC-Nは2例, LCNEC-Nは4例, SCLC-Pは8例, LCNEC-Pは7例, SCLC-Yは3例, LCNEC-Yは12例であった。SCLCではYAP1高発現群は少なく、YAP1の発現は陰性か一部の症例に散在性に陽性となるのみであった。LCNECではYAP1高発現群以外にも腫瘍内で陽性部が多くみられた。YAP1の発現とHGNECの予後に有意な差は見られなかった。 HNF4α高発現HGNECは9例(11%)みられ、NEマーカーとよく相関する一方で興味深いことにHNF4αの陽性像はTTF-1と相互排他的であり、これは肺腺癌における染色態度と同様であった。さらにHNF4α高発現のHGNEC群は、HNF4α低発現のHGNEC群よりも予後が悪く、それぞれの中央DSSは26か月と38か月であった(p<0.001)。細胞株を用いた検討ではVMRC-LCD(HNF4α高発現)でのHNF4αのsiRNA処理およびSBC5(HNF4α低発現)でのHNF4αのノックインにより、HNF4αが細胞増殖に関与していることが明らかになった。さらに、VMRC-LCDでのアネキシンV-FITCアポトーシスアッセイは、HNF4αとアポトーシスの抑制との関連を示し、HNF4αがHGNECの悪性化に関与している可能性が示唆された。
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