研究課題/領域番号 |
22K15418
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松岡 亮太 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70833804)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 神経内分泌癌 / 大細胞型神経内分泌癌 / 小細胞癌 / ASCL1 / NEUROD1 / POU2F3 / YAP1 / HNF4α / 高悪性度神経内分泌癌 / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
高悪性度神経内分泌癌 (HGNEC)は肺癌の中でも予後不良であり化学療法に高確率で耐性化する。申請者はHGNECはほぼYAP1陰性の神経内分泌型 (NE type) 細胞からなるが、その中にYAP1陽性のnon-NE typeが不均一に存在することを見出した。YAP1 はHippo pathway のエフェクターで様々な癌腫で増殖と薬剤抵抗性に寄与する。本研究ではHGNEC切除検体を用いYAP1の発現パターンに焦点を当て、YAP1陽性/陰性部を抽出しそれぞれのゲノム解析を行う。さらに細胞株を用いてYAP1の機能解析についても検討しHGNECの新たな治療標的の同定や治療抵抗性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
当院で切除された小細胞癌 (SCLC)と大細胞型神経内分泌癌 (LCNEC)の検体を用いて、サブタイプを規定する因子 (ASCL1 ,NEUROD1, POU2F3, YAP1)などの免疫染色を行い、腫瘍内での各因子の不均一性を解析していく中でHNF4αという消化管マーカーを発現するグループがあることを発見した。HNF4αを発現するグループはしないグループと比較し、有意に予後不良であった。またNFE2L2/KEAP1遺伝子変異を特異的に有することがわかった。さらに細胞株を用いた実験ではHNF4αが神経内分泌癌においてアポトーシスを抑制することで細胞増殖を促進することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SCLCとLCNECは、高悪性度神経内分泌癌 (HGNEC)に分類され、侵攻性が高く予後不良である。有効な薬剤も限られておりたな治療法の創出が必要である。本研究ではHGNEC内にHNF4αを発現する新たなグループを発見しHNF4α発現は悪性度に関連している可能性を示した。HNF4α発現HGNECはHGNEC内でも特殊なプロファイルおよび生物学的挙動を有しており、従来とは異なった治療の効果が予想される。今後はHNF4α発現HGNECの特性を解析することで、HNF4αの発現に立脚したHGNECの新たなサブタイプ分類と、それに合わせた最適な治療法の創出を目指す。
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