研究課題/領域番号 |
22K15458
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大沼 健一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (70899822)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | small RNA / 緑膿菌 / 抗菌薬耐性 / Pseudomonas aeruginosa / 多剤耐性緑膿菌 / 薬剤耐性 / 耐性菌検査 |
研究開始時の研究の概要 |
緑膿菌は治療経過中に抗生物質に耐性化を来たすと治療抵抗性となり院内感染対策上も大きな問題となる。現在、耐性化出現を予測するマーカーはなく、また多剤耐性緑膿菌に対する治療も確立されていない。本研究では、臨床分離株を用いてノンコ ーディングRNAであるsmall RNA(sRNA)のシークエンスを行い, 耐性菌特異的に発現が亢進または減少するsRNAとその標的mRNAの同定、さらにはsRNA の誘導素因を解明することを目的とした。本研究により、sRNAを標的とした検査や発現制御が多剤耐性緑膿菌に対する新たな耐性因子検査法や、治療法確立に貢献すると考えられる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は研究に使用する緑膿菌保存菌株からRNA抽出条件の最適化をおこなった。 RNA収量が予想よりも少なく、菌量および菌の増殖段階等を考慮して抽出条件の最適化を続けている。 RNAシークエンスを実施する純度と収量のRNAを抽出できる条件を検討し、その後smallRNAの網羅的解析を行う予定である。 また、網羅的解析に加え、緑膿菌の薬剤耐性に関わる既知のsmall RNAについてRT-PCRにて発現量の解析を行うこととし、プライマー設計と定量RT-PCRの測定準備をおこなった。また、 当初使用予定の菌株の他に、別の患者から分離された多剤耐性緑膿菌株を収集することができた。これらの菌株についても順次、網羅的解析およびRT-PCRを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度に試薬の供給遅れから実験開始が遅れていた。 緑膿菌からのsmallRNAの抽出をキット、もしくはフェノール・クロロホルム抽出法にて検討したが、シークエンス解析に必要な精度と収集量で試料を得られていない。抽出条件、菌量、さらにはどの増殖段階の菌を用いるかについても検討する必要があると考えている。 この間、当初使用予定であった菌株のほかに、多剤耐性緑膿菌の臨床分離株を新たに確保した。多剤耐性に関わるsmallRNAが菌株によらず普遍的に発現しているかどうかの評価に用いる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、small RNAの抽出条件の最適化を検討中であり、その後網羅的解析を行う予定である。 網羅的解析に加え、緑膿菌の薬剤耐性に関わる既知のsmall RNAについてRT-PCRにて発現量の解析を行う。既知のsmall RNAの発現についての解析ではあるが、同一患者から経時的に分離された菌株でのsmall RNAの発現量を評価した研究は少なく、緑膿菌のsmall RNA研究、薬剤耐性メカニズムの解明において、重要な意義を持つことが期待される。 また、当初使用予定の菌株の他に、別の患者から分離された多剤耐性緑膿菌菌株を収集することができたため、本菌株のMLST解析をすすめ、別strain株と確定後にsmallRNAの発現比較を行う予定である。
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