研究課題/領域番号 |
22K15471
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小野村 大地 自治医科大学, 医学部, 助教 (00910697)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / マイクロRNA / 抗HBV薬 / HBV |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)は肝細胞に感染し、肝臓がんを引き起こす。一般的なウイルスは、感染細胞内で活発に増殖複製し細胞を障害する。しかし、 HBVは多くの場合、感染した肝細胞に大きな障害性を示すことなく持続感染に移行する。この度、HBV感染に伴って肝細胞で誘導される新規のマイクロRNA(miRNA)がHBVゲノムの翻訳抑制を行うことを見出した。 このmiRNAは肝細胞におけるHBVの複製レベルを適切に保つことで、感染細胞の障害を抑え、持続感染の成立に重要な働きを持つ可能性が高い。そこで、このmiRNAの感染細胞におけるHBV増殖調節機構を明らかにし、抗HBV薬の開発に役立てる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、HBV感染におけるマイクロRNA-X (miR-X)の機能を明らかにすることである。 まずmiR-XがHBV RNAに直接結合しうるか調べるため、HBVのゲノム領域を6つのフラグメントに分割し、それぞれのフラグメントをルシフェラーゼ遺伝子の3'UTRに挿入したレポータープラスミドを作成した。これらのレポータープラスミドを用いてmiR-Xの結合部位の有無を調べたところ、miR-XはHBV RNAのポリメラーゼ遺伝子領域に結合し、RNAの不安定化を誘導することを見出した。次に、miR-XはHBVタンパク質の発現によって誘導されるものであることが明らかとなっているため、HBVタンパク質の蓄積による小胞体ストレスがmiR-Xの発現誘導に関わっているのではないかと考えた。小胞体ストレス誘導剤をHepG2/NTCP細胞に処理し、miR-3145の発現レベルの変化を調べたところ、小胞体ストレスの誘導により、miR-Xの発現レベルが上昇することが分かった。また、シャペロンタンパク質であるBinding immunoglobulin protein (BiP)をHepG2/NTCP細胞に発現させたところ、miR-Xの発現が低下したことから、miR-Xの発現は小胞体ストレスによって誘導されることが示唆された。以上の結果から、miR-XはHBVのタンパク質発現に伴う小胞体ストレスによって誘導され、HBV RNAに直接結合することで抗HBV活性を発揮することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
miR-XのHBV RNAにおける結合部位の同定を行い、miR-XがHBVのポリメラーゼ遺伝子領域に結合することにより、HBV RNAの不安定化を誘導していることが示唆された。また、miR-Xの発現誘導機構についても調べ、HBVタンパク質の発現による小胞体ストレスがmiR-Xの発現誘導に関わっていることも明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
miR-Xの標的宿主遺伝子の同定を行い、その宿主遺伝子のHBV感染における役割を明らかにする。 また、miR-X欠失ヒト肝細胞移植マウスと野生型のヒト肝細胞移植マウスを用いて、miR-XがHBVの感染、増殖にどのような影響を与えるか調べる。
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