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T細胞ー上皮細胞間HIV感染が成立する上皮細胞の探索とそのメカニズム・意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K15480
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分49060:ウイルス学関連
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

関 紗由里  国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (70758325)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードHIV-1 / T細胞 / 上皮細胞 / HIV
研究開始時の研究の概要

ウイルス感染症において、体内の感染部位をつぶさに明らかにすることは病態解析のための最優先課題であり、特に持続感染可能なウイルスの場合、感染部位の全解明が体内からのウイルス排除に向けた第一歩となる。HIV感染の中心がCD4分子発現免疫細胞であることは明白だが、体内の意外な箇所でのCD4非依存的感染も存在する。そこで本研究では、これまでに感染が報告された上皮細胞とともに未報告の上皮細胞についても免疫細胞からのHIV感染成立の可否とそのメカニズムを調べ、未知のHIV感染動態を探究する。

研究実績の概要

ウイルス感染症において、体内の感染部位をつぶさに明らかにすることは病態解析のための最優先課題であり、特に持続感染可能なウイルスの場合、感染部位の全解明が体内からのウイルス排除に向けた第一歩となる。HIV-1感染の中心がCD4分子発現免疫細胞であることは明白だが、体内の意外な箇所でのCD4非依存的感染も存在する。感染T細胞からの腎上皮細胞や精細胞への感染はHIV関連腎症や感染経路の研究過程で自然と発見されたが、最新の知見では気管支上皮細胞へのHIV-1感染・ウイルス産生も確認されている。本研究の目的は、T細胞-上皮細胞間HIV-1感染が成立する上皮細胞の探索とそのメカニズムおよび意義の解析である。
本年度は、HIV-1感染T細胞から上皮細胞への感染成立について、cell-to-cell感染がどのようなメカニズムで起こるか調べるため、T細胞株と腎上皮細胞株を用いHIV感染T細胞から上皮細胞へのHIV感染成立をイメージングフローサイトメーターを用いて可視化する系を樹立した。T細胞株にHIV NL4-3を感染させた後、上皮細胞株と共培養を行った。T細胞株と上皮細胞株の区別のために蛍光色素で標識された抗CD3抗体を用いて細胞表面を染色し、感染細胞の検出のためには別の蛍光色素で標識された抗Gag p24(HIVカプシド蛋白質)抗体を用いて細胞内染色を行った。AreaとHeightでドットプロットを展開しダブレットを解析する際、細胞の大きさ・形・CD3発現レベルでT細胞株と上皮細胞株のダブレットを特定した。そこでT細胞株がGag p24を発現していることに加え、ペアとなる上皮細胞についてもGag p24発現しているものが画像データとして取得された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、HIV-1感染T細胞から上皮細胞への感染成立について、cell-to-cell感染がどのようなメカニズムで起きているか調べるための解析システム構築を目標とした。T細胞株と腎上皮細胞株を用い、HIV感染T細胞から上皮細胞へのHIV感染成立をイメージングフローサイトメーター上で画像データとして取得することが出来れば、メカニズム解析のための重要な手段となると考えた。HIV-1感染T細胞株としてHIV NL4-3感染PM1細胞を用いることに決定し、上皮細胞株としては腎上皮細胞株293T細胞を用い、蛍光色素で標識された抗CD3抗体で細胞表面染色、抗Gag p24抗体で細胞内染色を行うと、HIV-1感染T細胞株と上皮細胞株のダブレットを撮影することが出来た。本段階を経てT細胞ー上皮細胞間のHIV感染メカニズム画像解析系が樹立されたため、本研究の現在までの進捗状況としてはおおむね順調に発展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

今後は(1)今年度樹立した系を用いたHIV感染T細胞-上皮細胞間感染メカニズム解析の続き、(2)上皮細胞におけるHIV-1インテグレーション/ウイルス粒子産生の検出、(3)上皮細胞HIV-1感染に伴うサイトカイン遺伝子/分泌量変化の測定、と進めていく。上皮細胞ゲノムに組み込まれたHIV-1ゲノムを増幅する実験系と、GFP陽性上皮細胞の培養を継続し細胞上清を回収して、新たな粒子産生をHIV-1 Gag p24 ELISAを用いて測定する実験系は、その後の研究計画の基本となるので確実に進めたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Immunologic and Genetic Contributors to CD46-Dependent Immune Dysregulation2023

    • 著者名/発表者名
      Benedikt J Meyer, Natalia Kunz, Sayuri Seki, et al., Mike Recher
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Immunology

      巻: 43 号: 8 ページ: 1840-1856

    • DOI

      10.1007/s10875-023-01547-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Autoimmunity and immunodeficiency associated with monoallelic LIG4 mutations via haploinsufficiency2023

    • 著者名/発表者名
      Jauch AJ, Bignucolo O, Seki S, Ghraichy M, Delmonte OM, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Allergy and Clinical Immunology

      巻: S0091-6749 号: 2 ページ: 00422-0

    • DOI

      10.1016/j.jaci.2023.03.022

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] CoV-2スパイク産生に対するTMPRSS2の影響2023

    • 著者名/発表者名
      宮内浩典、関紗由里、原田恵嘉、俣野哲朗
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Enhancement of Vif CD8+ T-cell epitope presentation by Vif-APOBEC3G interaction2022

    • 著者名/発表者名
      Sayuri Seki
    • 学会等名
      The 2nd France-Japan symposium on HIV/AIDS and Infectious Disease Basic Research
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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