研究課題/領域番号 |
22K15481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
深野 顕人 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 産学連携推進部 上級研究員 (80848531)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / HBV / 肝細胞がん / ゲノム挿入 / インテグレーション |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染がもたらす発癌過程では、ウイルスゲノムの宿主ゲノムへの挿入が重要である。しかしウイルスゲノムの挿入箇所や挿入DNA断片は多様であり、その形成メカニズムはほとんど明らかでない。またHBVゲノム挿入を検出・解析する現行法は、高価で技術的制約があるなどそれぞれ欠点があり汎用性が低い。そこで本研究ではまず網羅的かつ安価で簡便にHBVのゲノム挿入を検出できる新規手法を確立する。そしてその手法を用いてゲノム挿入機構に関わる因子を同定する。以上のように新規検出系を応用したゲノム挿入発生メカニズムの解析を通して、HBV誘発発癌機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染による発癌過程には、ウイルスゲノムが宿主ゲノムへ挿入される現象が関与していることが知られる。しかしウイルスゲノムの挿入部位や挿入DNA断片は多様であり、その形成メカニズムはほとんど明らかでない。またHBVゲノム挿入を検出・解析する現行法は、高価で技術的制約があるなどの欠点があり汎用性が未だ低い。そこで本研究ではまず網羅的かつ安価で簡便にHBVのゲノム挿入を検出できる新規手法を確立し、その手法を用いることによりゲノム挿入機構の解明を目指している。他のウイルスゲノム挿入を簡便に検出する新規手法を応用し、まずはHBV肝細胞癌由来細胞株から、既報と一致するHBVゲノム挿入部位が同定できることを示した。さらにHBVを感染させた細胞や肝がん患者検体で新規に発生するゲノム挿入も本法で同定できることを解析した。また現行法のhybrid-capture法での解析結果と比較したところ、本法ではより少ないシーケンス量で同等レベルの解析が可能であることが示唆された。また同定された挿入部位について特異的プライマーを設計し、元のDNAサンプルからキメラゲノムを増幅することで本法の解析精度を評価した。以上の検討により、本法を用いることでHBVゲノム挿入を現行法より安価かつ簡便に検出できると考えられる。今後、本法を用いたゲノム挿入の分子機構解析を進めることで、HBV感染由来の発がんメカニズム解明へ重要な知見が得られると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、HBVゲノム挿入の分子機構解析を行う上で重要な新規検出法の確立を行った。本法を用いることで、HBVを感染させた細胞におけるゲノム挿入を検出できたことから、細胞培養系を用いたゲノム挿入の解析が安価かつ簡便に可能となった。次年度以降の解析に有用な手法を確立できたため、順調に進展したと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究結果より、HBVゲノム挿入を現行法より安価かつ簡便に検出できる新規手法を確立できた。次年度では、本法を用いることでゲノム挿入の分子機構の解析を進める。また本法は臨床検体中のゲノム挿入も検出可能であることから、臨床検体を用いたHBVゲノム挿入プロファイルの解析も並行して行う。
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