研究課題/領域番号 |
22K15482
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
浦木 隆太 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, ウイルス感染動態研究部 上級研究員 (70843027)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | SARS-CoV-2 / マウスモデル / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した宿主では、ウイルスを排除するための様々な炎症応答が誘導されるが、過度な炎症応答は、宿主(自己)の細胞や組織に大きな損傷を与える。そのため、それらの炎症応答を抑制・制御する機能が宿主を守る上で重要な鍵となる。そこで、本研究課題では、免疫抑制能を有する制御性T細胞に焦点を当て、ウイルス学・免疫学的視点から制御性T細胞のSARS-CoV-2感染後の病態発現・予後への寄与の解明を目指す。本研究の成果はSARS-CoV-2感染後の病態や予後に対する新しい治療戦略へ繋がることが期待される。
|
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスSARS-CoV-2に感染した患者の約1割程度は中ー重症化し、最悪の場合、肺の機能不全やそれに付随する多臓器不全などによって死に至る。SARS-CoV-2感染後の宿主応答については、ヒトの検体やモデル動物を用いた研究から解析されつつあるが、個々の細胞が病原性発現や予後に及ぼす影響についての知見は限定的である。 本研究課題では、病原体感染、癌、アレルギー、移植片拒絶、梗塞に伴う炎症など様々な疾患に関与することが報告されている制御性T細胞に焦点を当て、ウイルス学・免疫学的視点から制御性T細胞のSARS-CoV-2感染後の病態発現・予後への寄与の解明を目指し、制御性T細胞を標的とした治療法の開発の糸口を模索する。 当該年度は、マウス馴化SARS-CoV-2を接種し、感染後の肺における制御性T細胞の割合を解析した。その結果、感染2~5日後にかけて制御性T細胞の割合が増加することを明らかにした。また、増加した制御性T細胞では、複数の活性化マーカーの発現が上昇していることを確認した。Foxp3-DTRマウスにジフテリア毒素を投与し、一過性に制御性T細胞を除去後、致死量のSARS-CoV-2を感染させたところ、コントロールマウスとFoxp3-DTRマウス間で体重変化・生存率については大きな差は見られなかった。今後、制御性T細胞の除去の期間や感染させるウイルス量の条件を変え、複数の条件下で、感染実験を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SARS-CoV-2感染後に、マウス肺で制御性T細胞が増加していることを確認し、Foxp3-DTRマウスのマウスの系も機能していることを確認した。
|
今後の研究の推進方策 |
制御性T細胞を選択的に除去した際のSARS-CoV-2感染後の病態・予後の検証を引き続き行う。また、インフルエンザウイルスなど、他の呼吸器感染症との比較も行う。
|