研究課題/領域番号 |
22K15495
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
近藤 博之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60935047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メモリーCD8+T細胞 / インフルエンザウイルス / 免疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
CD8+ T細胞を対象とした各種遺伝子発現解析から、メモリーCD8+ T細胞で特徴的に高発現を示し、かつT細胞での機能未知な転写因子としてDMRTA1(Doublesex and mab-3-related transcription factor A1)に着目した。本研究では、T細胞特異的なDmrta1欠損マウスを使った個体レベルでの解析およびDMRTA1の標的遺伝子の解析から、DMRTA1が制御するメモリーCD8+ T細胞の分化や維持機構の完全解明を目指す。
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研究実績の概要 |
今年度では注目している転写因子の遺伝子欠損マウスを使ったT細胞解析では、コントロールマウスに比べ欠損マウスの胸腺や脾臓内でのT細胞の分化に異常が観察できなかった。しかしながら、欠損マウスのT細胞をCD3/CD28刺激により活性化し、活性化マーカーCD69の発現を検証した結果、コントロールに比べCD69の発現が有意に低下することが明らかになった。これらのことから、注目している転写因子がT細胞の活性化に関与することが考えられ、次にインフルエンザウイルス感染実験を行った。その結果、現在注目している転写因子のT細胞特異的欠損マウスではコントロールマウスに比べ感染7、14、28、35、60日目での肺でのインフルエンザウイルス特異的CD8+T細胞の細胞数に変化が見られなかったが、感染7日目での脾臓内のインフルエンザウイルス特異的CD8+T細胞の細胞数が有意に増加することが明らかになった。また、現在注目している転写因子のT細胞特異的欠損マウスでは感染7日目の肺のインフルエンザウイルス特異的CD8+T細胞ではT細胞の機能因子GranzymeBの発現が有意に減少することも明らかとなった。次に、インフルエンザウイルスに対する2次応答解析では移植した遺伝子欠損マウスのインフルエンザウイルス特異的CD8+T細胞でのGranzymeBの発現が有意に低下することが明らかとなり、注目している転写因子が早期のT細胞の活性化に関与し、その後のメモリーCD8+T細胞の機能に関与することが考えられ、現在さらに解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由としては、3つ挙げられる。1つ目としてはインフルエンザウイルス感染実験が順調に行うことができ、実験に使用するウイルス濃度も早く決めることができた。2つ目としては、注目している遺伝子欠損マウスでのインフルエンザウイルス感染における表現型が得られたことである。表現型が感染7日目であったことから、マウスを長期的に飼育せずに表現型が得られることは、進捗状況に大きく影響する。3つ目としては、最終年度で行うことを予定していたインフルエンザウイルスに対する2次応答実験が比較的スムーズに行えたことである。これら3つのことから、現在までの進捗状況としては、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の研究の推進方策では、注目している転写因子がどのようにT細胞の活性化に関与しているかについて遺伝子発現解析やタンパク質発現解析を進め、分子機構について明らかにしていく。これまでの、解析結果についてはまとめ、分子生物学会での発表や今年度での論文投稿について準備していく予定である。
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