研究課題/領域番号 |
22K15496
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 由美子 九州大学, 大学病院, 臨床助教 (60778819)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | クローディンー3 / 喘息 / 上皮バリア機能 / タイトジャンクション / 好酸球 / クローディンー3 / 経気道抗原取り込み / クローディン‐3 / 好酸球性炎症 / 細胞間接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
アレルギー性喘息では、肺に到達したアレルゲンが気道上皮細胞間を通過して体内に侵入し、好酸球などによる免疫応答を引き起こす。喘息患者は気道上皮バリア障害を認めるが、バリア障害がアレルギー性免疫応答へどのように影響するかは不明である。上皮バリア構成分子クローディン‐3の喘息病態における役割は未検討である。我々はクローディン‐3欠損マウスで喘息モデルを解析し、欠損マウスで好酸球性気道炎症の軽快を認めた。そこで本研究ではクローディン‐3の好酸球性気道炎症における役割と作用機序を明らかにする。作用機序を上皮バリア形成に限らず検討し、更に上皮細胞以外、特に免疫担当細胞での発現・機能も解析する。
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研究成果の概要 |
クローディン-3(気道上皮細胞の細胞間接着構造タイトジャンクション構成分子)の喘息病態における役割を解明するため、クローディン-3欠損マウスを用いた卵白アルブミン誘導性喘息モデルマウスの表現型を検討した。クローディン-3欠損マウスでは野性型と比較し、卵白アルブミン投与による好酸球性炎症上昇、気道過敏性亢進、杯細胞増生が減弱した。気道上皮の分子透過性と骨髄由来樹状細胞の貪食能・活性化能には差を認めなかったが、経気道投与下の肺内樹状細胞による抗原取り込み量はクローディン-3欠損マウスで低下した。これらよりクローディン-3欠損により経気道の抗原取り込みが低下し喘息病態を改善することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喘息病態における気道上皮バリア機能の重要性は多く研究され、そのメカニズムとして気道上皮を構成する線毛上皮細胞や杯細胞が注目されてきた。本研究では気道上皮と上皮内樹状細胞の関係が喘息病態に影響することを明らかにしており、新たな上皮バリア―免疫連関を示した。またタイトジャンクション分子が免疫細胞に作用することも新たな知見である。本研究成果により、クローディン-3を新規標的とした喘息治療の発展が期待される。また皮膚や腸管などの外来抗原による炎症性疾患の病態解明にも寄与する可能性がある。
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