研究課題/領域番号 |
22K15498
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高島 謙 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (10802647)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | B細胞クラススイッチ / 自然免疫応答 / エピジェネティクス / 核小体 / 免疫応答 / ヒストン修飾 / マクロファージ / B細胞 / クラススイッチ / SARS-CoV2 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は新規ヒストン修飾制御因子Xを同定し、分子XがヒストンH3K27me3修飾を制御することを明らかにしてきた。興味深いことに、H3K27me3修飾はマクロファージやB細胞の機能の制御に重要であることが知られており、さらに申請者の解析から分子XがSARS-CoV2 ORFタンパク質と相互作用することを見出した。しかし、免疫応答でのエピジェネティクス変化の機序や重要性には不明な点が多く、分子Xの免疫応答での役割は不明である。本研究計画では各種マウスモデル、生化学的解析やシークエンス技術を活用し、分子XによるH3K27me3修飾制御機構の免疫応答での役割を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は申請者が独自に発見した新規ヒストン修飾制御因子Xの免疫応答での意義を明らかにするものである。分子Xは核小体に局在し、抑制性のヒストン修飾であるH3K27me3のバランスをゲノムワイドに制御する。申請者は本研究おいて①分子XがB細胞クラススイッチの指向性を制御すること、さらに②マクロファージでこれまで知られてないかった「炎症プライミング」の制御に寄与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子XはヒストンH3と類似した配列を持ち、まるで「ヒストンを模倣するかのように振る舞う」ことでH3K27me3修飾のバランスを制御する。このようなヒストンを模倣し、エピゲノム制御を行う因子の報告は初であり、我々は分子Xが乳がんの形成・進展に必要であることを明らかにしてきた。本研究成果では分子Xが乳がんのみならず、自然免疫応答やB細胞クラススイッチなどの免疫応答の制御にも寄与することを明らかにした。この「ヒストンを模倣する」という新たなエピジェネティクス制御機構をより深く理解することにより、生体恒常性のしなやかな制御を見出すとともに、新たなエピジェネティクス創薬に繋がることが期待される。
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