研究課題/領域番号 |
22K15500
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
平良 直幸 沖縄科学技術大学院大学, 統合オープンシステムユニット, ポストドクトラルスカラー (40813621)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | JunB / Exhausted CD8+ T cells / Tpex / Tex / effctor CD8 T cell / エフェクターCD8 / exhaustion / 疲弊CD8 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞の遺伝子の変化をコントロールする重要な因子として、転写因子というタンパク質が知られている。その転写因子の一種であるJunBが、がん免疫治療において最大の障壁となっているCD8+T細胞の疲弊化を解除することができる可能性を秘めていることを申請者は発見した。本研究結果により、JunBと疲弊化がどのように関わっているのかを解明することで、がん免疫治療がより効果的な治療へとなることを期待している。
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研究成果の概要 |
がんの免疫療法においてCD8T細胞の疲弊化は重大な課題である。我々はエフェクター細胞生存にJunBが必須であることを見出しているが、疲弊化での機能はわかっていない。そこで疲弊化とJunBに着目して研究を行った。急性感染時と腫瘍内浸潤時のCD8T細胞のJunB発現は後者で高発現していた。腫瘍周辺リンパ節内の前活性化状態CD8T細胞はJunBを若干発現していたが、腫瘍内に浸潤すると高発現していた。腫瘍組織内のCD8T細胞は前駆疲弊細胞と終末疲弊化細胞からなるが、前駆疲弊細胞のJunB発現低下は終末疲弊化細胞に分化する結果を示した。これはJunB発現の維持が前駆細胞で重要であることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年がんの三大療法に次ぐ治療として免疫療法に注目が集まっている。しかしながら、免疫療法において解決すべき課題としてエフェクター機能の低下を伴うT細胞の疲弊化が知られている。この疲弊化を防ぐため精力的に世界中で研究が行われているが、未だ決定的な解決方法は見つかっていない。本研究で着目したJunBはエフェクター細胞の生存に関わるだけでなく、疲弊化を抑制する可能性が見出された。この研究結果を元にさらなる詳細なメカニズムが判明すれば、この疲弊化を制御するようなメカニズムが明らかになると考えている。その結果、がんの免疫療法のさらなる進展が期待でき、がんで苦しむ人々を救う治療法の確立に貢献できるだろう。
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