研究課題/領域番号 |
22K15510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
平塚 徹 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 腫瘍増殖制御学部 主任研究員 (30893028)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ERK / 膵がん / 揺らぎ / ライブイメージング / オルガノイド / ゆらぎ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、細胞内シグナルであるEGFR-ERK経路に注目し、その時間的ダイナミクスが癌に与える影響を明らかにし、そのダイナミクスを考慮した新たな抗癌剤投与プログラムを創出することを目指す。申請者はこれまでに、正常上皮組織でERK活性が揺らぎでおり、それが細胞の増殖、分化に関与することを示している。そこで本研究では、ERK活性をただ低くするのではなく、「揺らがせる」ことを試みる。抗癌剤の投与をマイコン装置で制御することにより、様々な時間パターンのERK活性を作り出し、その効果を検証する。さらに、担癌マウスにおけるin vivo生体ライブイメージングを用い、生体における「揺らぎ」の効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は、細胞内シグナルであるEGFR-ERK経路に注目し、その時間的ダイナミクスが癌に与える影響を検討した。10種類の患者由来膵がんオルガノイドにて、包括的なライブイメージングと自動画像解析による細胞およびオルガノイド認識を行い、がん細胞シグナルの不均一性を定量的に評価した。また、EGFR-ERKシグナル経路の阻害薬の効果の不均一性を同様に評価したほか、マウスにおける同所性担がんモデルの生体ライブイメージングを確立した。本研究により、細胞内シグナルの活性化タイミングと薬剤効果の関係が明らかとなり、将来の新規薬剤の開発や評価、さらには個別化医療の実現に寄与できるものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、既存のオルガノイドを用いたがん研究のボトルネックとなっていた、(1)患者ごと、オルガノイドごとの不均一性の評価方法、(2)その時間による変化、(3)生体内環境がそれに与える影響、にアプローチしたものであり、学術的および臨床的意義の大きい研究であると言える。本手法は、他のがんや再生医学分野においても応用可能なアプローチであり、今後の波及効果が見込まれる。また、本研究にて得られた患者ごとのがん不均一性の定量的なデータは、将来の新規薬剤の開発や評価、さらには個別化医療の実現に寄与する実践的なものであると考えられる。
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