研究課題/領域番号 |
22K15520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮崎 貴寛 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (90909433)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / シングルセル解析 / CAF / 糖鎖 / 一細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性固形癌の代表である膵癌は、その間質組織増生が大きな特徴である。癌関連線維芽細胞(Cancer Associated Fibroblast, CAF)がその中心的な役割を担い、癌細胞を守るバリアになり、抗癌剤送達を低下させており、臨床での化学療法抵抗性の原因となっている。 「一細胞遺伝子糖鎖同時解析」という最新手法を用いて、多様性を持つ膵癌CAFそれぞれに特異的な遺伝子発現・糖鎖構造の組み合わせを解明する。そしてCAFの治療標的となる糖鎖構造を見つけ出し、新規CAF標的治療薬であるレクチン薬物複合体(Lectin-drug conjugate, LDC)作製へと発展させることを目指す。
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研究実績の概要 |
大学附属病院で行われる膵臓癌の手術で摘出される膵癌を検体として用いる研究である。摘出される膵臓癌検体のうち、臨床診断で使用しない部分を用いて、シングルセル解析を行う予定とした。そもそも手術適応になる膵臓癌は腫瘍サイズが小さいものが多い。それに加え、今年度より術前化学療法後に膵切除が行われるようになったことも影響して、研究に使用できる臨床膵癌検体の分量はかなり小さい。そしてそれを細胞単離すると、酵素による細胞毒性に加え、細胞接着が失われた細胞の壊死(アノイキス)が起こることもあり、シングルセル解析に十分な生細胞数を得ることが困難であった。その結果、シングルセル解析に進めない、ということを繰り返していた。しかし、このままでは研究結果が得られないので、産業技術総合研究所のラボと相談し、少量の細胞ではあるが試験的にシングルセル解析を行ってみる方針となり、現在その解析の結果を待っている最中である。 膵癌検体からは癌細胞から形成される3Dオルガノイドも同時に作成しており、こちらは継続してライブラリー作成を行っていく。 今後も同様の状況は継続するため、少量の検体からでもシングルセル解析を行えるようにより細胞障害の少ない細胞単離の方法を模索する。これまで膵癌のがん関連線維芽細胞に対する糖鎖遺伝子同時解析は行われておらず、意義の大きい研究であると考えているので、来年度には成果を得られるように研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床膵癌からシングルセル解析に使用できるほどの十分量を確保できるcaseが多くなく、シングルセル解析にとりかかるのが遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き臨床膵癌検体の確保に努める。
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