研究課題/領域番号 |
22K15536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石橋 ますみ 東北大学, 大学病院, 助教 (20821383)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | TIE-1 / PROTAC |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌は婦人科領域では最も予後の悪い疾患であり、その主な原因が抗癌剤耐性である。 チロシンキナーゼ受容体型タンパク質TIE-1は血管内皮細胞に発現し血管新生・安定性への関与が報告されていたが、癌細胞における役割は明らかでなかった。申請者はこれまでに TIE-1 が卵巣癌の予後不良因子であること、PI3K/Aktシグナルを介した細胞増殖に関与すること、卵巣癌治療に用いられる白金製剤への耐性に関与することを明らかにした。しかし、TIE-1を標的とした創薬開発は未開拓である。そこで、本研究ではPROTAC技術を用いて、 TIE-1を阻害しその卵巣癌治療効果を検証する。
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研究実績の概要 |
TIE-1阻害剤の確立を研究目的とし、昨年度は、TIE-1のPROTAC(PROteolysis-TArgeting Chimeras)のin silicoでの設計、PROTACのライブラリー作成を企業に依頼していた。しかしながら、技術および費用的に困難であったため、今年度は、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)に TIE-1 PROTACライブラリー作成支援を申請したところ、支援の承認を得た(課題番号 5861)。 現在は BINDS の支援実施者である京都大学大学院薬学研究科 薬品合成化学分野 高須 清誠 教授と摂南大学 薬学部の北谷和之 教授に協力いただき、PROTAC の設計、ライブラリー作成を進行中である。化合物合成には計画段階で想定していたよりも長い時間を要する見込みであるが、来年度までにはライブラリーが完成することを目標としている。 ライブラリー作成後は、TIE-1 PROTAC を TIE-1 高発現卵巣癌細胞株に暴露し、細胞から蛋白を回収して TIE-1 の定量を行い、最も TIE-1 の蛋白量を減少させる TIE-1 PROTAC を hit TIE-1 PROTACとして同定する。hit TIE-1 PROTAC を同定した後は、複数の卵巣癌細胞株を用い、TIE-1 PROTAC 曝露後の細胞生存率を測定し、卵巣癌治療に用いられる抗がん剤との細胞増殖抑制効果と比較、または抗がん剤と TIE-1 PROTACとの併用による抗腫瘍効果を確認する予定である。また、免疫不全マウスを用いて生体レベルでの TIE-1 PROTAC 単独および抗がん剤と併用での抗腫瘍効果を確認する予定である。 昨年度はPROTAC作成が難航し、大きな研究成果は得られなかったため学会報告は行っていないが、今年度は研究成果の国内および海外の学会で発表できるよう研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PROTACライブラリー作成が難航しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ライブラリーが完成したのち、 TIE-1 PROTAC をそれぞれ TIE-1 高発現卵巣癌細胞株 TOV-112D に暴露したのち、細胞から蛋白を回収して TIE-1 の定量を行い、最も TIE-1 の蛋白量を減少させた TIE-1 PROTAC を hit TIE-1 PROTAC とする。hit TIE-1 PROTACを同定した後に、複数の卵巣癌細胞株を用い、TIE-1PROTAC 曝露後の細胞生存率を測定し、卵巣癌治療に用いられる抗がん剤との細胞増殖抑制効果と比較する。また、免疫不全マウスを用いて生体レベルでのTIE-1PROTAC単独および抗がん剤と併用での抗腫瘍効果を確認する予定である。
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