研究課題/領域番号 |
22K15544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冨野 高広 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10906340)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | VETC / mTOR / Ang-2 / 肝細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌の転移や腫瘍免疫回避にAng2、VEGF、Rac、DOCK1が関与する可能性はあるが、その詳細は未だ不明な部分が多く、その解明は急務であると思われる。本研究では、肝細胞癌における転移の分子機構および腫瘍免疫回避機構を解明し、その中心的役割を担う遺伝子を制御する薬剤を開発して免疫チェックポイント阻害剤の奏功率を向上させることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝細胞癌における転移の分子機構および腫瘍免疫回避機構を解明することを目的とした。当院で肝細胞癌に対して生体肝移植術を施行した症例でVETCやAng-2、mTORの発現を免疫染色にて評価した。VETC陽性患者はVETC陰性患者に比べ有意にmTOR陽性率が高く、Ang-2発現は、mTOR陰性群よりもmTOR陽性群で有意に高かった。生体肝移植後に肝細胞癌の再発を認めた症例のうちmTORの発現はVETC陰性の再発病変と比較して陽性の再発病変で有意に高かった。mTOR発現は、VETC陰性の原発巣および再発病変よりもVETC陽性の原発巣および再発病巣で高いことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により肝細胞癌に対して生体肝移植術を施行した患者においてmTOR発現は、VETC陰性の原発巣および再発病変よりもVETC陽性の原発巣および再発病巣で高いことが明らかとなった。生体肝移植後のエベロリムスの使用がVETC陽性の肝細胞癌患者における腫瘍再発を予防または減少させる可能性があることが示唆され、生体肝移植術を施行した肝細胞癌患者の治療に重要な意味を持つ。
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