研究課題/領域番号 |
22K15554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
水野 裕貴 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (60771376)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝芽腫 / 化合物スクリーニング / 新規治療候補薬 |
研究開始時の研究の概要 |
肝芽腫は小児の肝臓に発生する悪性腫瘍で、化学療法の重要性が高い。申請者は独自のカスタムメイドなプラットフォームによる100種類からなる化合物ライブラリースクリーニングを肝芽腫細胞株HepH2に対して施行し、肝芽腫における新規治療薬としてHSP90阻害剤であるTanespimycinを同定した。 本研究では、肝芽腫に対するTanespimycinの抗腫瘍効果をin vitroおよびin vivoで解析し、さらには機能的ターゲットであるHSP90の機能抑制実験に加えて、臨床検体における発現解析を行うことで肝芽腫に対するTanespimycinの新規治療薬としての可能性を詳細に検証する。
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研究実績の概要 |
小児固形がんの一種である肝芽腫に対する新規治療候補薬の選出および機能解析のために、肝芽腫の細胞株HepG2に対して、100種類のランダムな治療候補化合物ライブラリーを用いた薬剤投与スクリーニングにより、最も効果が高く、既存の報告がない薬剤として、TanespimycinとNMS-E973を選出した。この二剤はともに分子シャベロンであるHSP90の阻害剤であり、特にTanespimycinは様々の小児固形がんの患者に対する第一相試験が米国で行われ、肝芽腫に対する効果も期待できる有望な薬剤である。 肝芽腫細胞株HepG2とHuh6それぞれにおいて、WST8AssayによりTanesipimycinが濃度依存的、時間依存的に増殖抑制効果を示すことを確認した。また、それぞれの細胞株において、TanespimycinがDNAダメージとアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を発揮することをウエスタンブロットで確認した。 HSP90阻害薬は、癌増殖に必要なRAFやAKT、HER2といったタンパクの発現を低下させることが他の癌腫で報告されている。肝芽腫の細胞株にTanespimycinを投与してp-Akt、cRaf、HER2の発現をウエスタンブロットで評価したところ、これらの発現が著明に投与前と比較して低下・消失することが確認された。肝芽腫細胞株において、Tanespimycinはこれらの腫瘍増殖に必要なタンパクの発現維持を阻害することにより、抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。 また、フローサイトメトリーによる細胞周期解析で、Tanespicyminが肝芽腫細胞株HepG2、Huh6両者に対して時間依存的にG2期細胞が増加することが確認され、TanespimycinがG2arrestを誘導して腫瘍増殖抑制効果を示していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画時点での予定通り、in vitroでのTanespimycinの肝芽腫における機能解析を進められている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、肝芽腫マウス皮下移植モデルを用いたin vivoでのTanespimycin投与実験および、siRNAを用いたHSP90のノックダウンによる機能解析、および肝芽腫臨床検体を用いたHSP90の腫瘍部の発現の評価を行う予定である。 また、Tanespimycinと、肝芽腫の標準治療薬であるシスプラチンとの併用による上乗せ効果の解析も行い、ここまでの内容で一度論文報告する方針である。 さらに、シスプラチンとの併用による、100種類の新規治療候補薬ライブラリーを用いてのスクリーニングによる、多剤併用化学療法に有望な薬剤の選出およびその機能解析を行う予定である。
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