研究課題/領域番号 |
22K15557
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
米倉 慧 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (20912736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腸内微生物 / 腸内細菌 / 腸内真菌 / 腸内ウイルス / 悪性黒色腫 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 悪性腫瘍 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、腸内真菌を含めた包括的な腸内微生物叢プロファイルが免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測バイオマーカーとなるかどうかを明らかにすることである。本研究では免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子としての腸内細菌・真菌を明らかにし、悪性腫瘍患者における腸内真菌と細菌の相互作用に関する新しい理解に貢献し、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を向上させる新規治療ターゲットの解明と患者への貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、腸内真菌を含めた包括的な腸内微生物叢プロファイルが悪性黒色腫において免疫チェックポイント阻害薬(PDー1阻害薬、CTLA-4阻害薬)の治療効果予測バイオマーカーとなるかどうかを明らかにすることを目的としている。これまでの16S rRNA遺伝子の解析にとどまらず、whole genome sequencing(WGS)を行うことで細菌以外の微生物叢も捉える方針とし、これまで十分に検討されたことのない、包括的な腸内微生物叢を明らかにする。腸内微生物叢の試料として免疫チェックポイント阻害剤治療を受けた皮膚・粘膜メラノーマ患者の糞便検体を使用した。初年度は1)解析に必要な臨床情報と糞便検体の確保、2)糞便検体からのDNA抽出、3)WGSのライブラリー作成の条件検討を行った。4)次世代シーケンサーを用いて配列を同定した。 1)合計26検体(子宮頸部、外陰部、歯肉、腸管、口腔内、気管、鼻腔、眼、皮膚)の臨床情報、糞便検体を確保した。対象症例は主にニボルマブ(PD-1阻害薬)を使用されていた。臨床情報には免疫チェックポイント阻害剤の効果判定結果も含まれる。 2-3)当初検討したプロトコルでのDNA抽出・ライブラリー作成を行ったが、tapestationを用いた評価結果からはWGSには不適合と判断した。プレップに関して複数の条件検討を行い、最終的に至適条件を同定した。 4)同定された至適条件下でのプロトコルを用いて粘膜メラノーマ患者の糞便検体からDNA抽出を実際に行い、ライブラリー作成後、WGSを施行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、2022年度に計画されていた作業過程はほぼ予定通り完了した。従って2023年度は当初の計画通りにWGS結果の解析へ移行が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
1)WGS結果からバイオインフォマティクスを用いて糞便内微生物叢の同定を進める 2)臨床情報(免疫チェックポイント阻害剤への反応性、無増悪生存期間など)と相関する微生物叢の特徴(多様性、増減した種の同定、微生物叢間のネットワーク)を明らかにする。公開されている皮膚メラノーマの糞便WGSデータを入手し、本研究で用いた粘膜メラノーマの糞便WGSデータとの比較を試み、多様性、増減した種の同定、微生物叢間のネットワークについて差異があるかどうかを解析する。これらの解析によって介入可能な対象を同定する。
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