研究課題/領域番号 |
22K15559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
矢内 正晶 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30874375)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 免疫関連有害事象 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は様々な癌腫で有効性が示され、使用される機会が増加している。それに伴い免疫関連有害事象(irAE)という免疫を介在した有害事象への対応が課題となっているが、その発症機序はまだ十分には解明されておらず、irAEの発症予測や鑑別に有用なバイオマーカーは存在しない。そこで免疫寛容と抗腫瘍免疫応答の抑制に関わる制御性T細胞(Treg)や骨髄由来抑制細胞(MDSC)といった免疫抑制細胞に注目し、ICI投与による末梢血のTreg、MDSCの増減や活性化と、irAE発症との関連を評価することで、irAEの発症予測および鑑別のバイオマーカーとなるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
事象(immune-related adverse events:irAE)という免疫を介在した有害事象への対応が課題となっているが、その発症機序はまだ十分には解明されておらず、irAEの発症予測や鑑別に有用なバイオマーカーは存在しない。本研究では、侵襲の低い血液検体を用いたirAEの発症予測および鑑別のバイオマーカーの探索を目的としている。 本年度は当院におけるICI投与症例のレジストリ研究を開始し、ICIによるirAE発症状況および臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を行った。レジストリ研究では、2014年1月以降に当院でICIを投与した1041例を登録し、irAEの発症状況に関する調査およびirAEのリスク因子の検討を行った。なお、今年度は当院で262例が新規にICIを開始され、1年間で110件の中等症以上のirAEを認めた。当院におけるICI投与症例のうち、ICI投与前に既存の間質性陰影がある症例、KL-6、SP-D高値の症例では、irAEとしての間質性肺疾患の発症リスクが高いことを示した。また、CTLA-4阻害薬や分子標的薬を併用した場合にはirAEの発症リスクが増加することを明らかにした。これらは第21回日本臨床腫瘍学会学術集会にて報告した。 一方でICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究の開始準備に時間を要しており、まだ症例登録および血液検体の収集が開始できていない。そのため次年度に臨床研究の開始、症例集積を進めていく予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度よりICIによるirAE発症状況について、当院におけるICI投与症例のレジストリ研究を開始し、臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を開始し、症例の集積をすすめているが、ICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究の開始準備に時間を要しており、まだ症例登録および血液検体の収集が開始できていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当院におけるICI投与症例のレジストリ研究での症例集積を継続し、臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を行う。また、ICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究を開始し、症例登録および血液検体の収集を進めていく予定としている。
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