研究課題/領域番号 |
22K15561
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
幕内 陽介 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (70881176)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 移植後シクロフォスファミド / 同種抗原応答性T細胞 / 移植片対白血病効果 / 移植片対宿主病 / 造血幹細胞移植 / 免疫抑制剤 / 免疫再構築 |
研究開始時の研究の概要 |
同種造血幹細胞移植後の免疫抑制療法である移植後シクロフォスファミド療法(PTCy)は有望な移植後の免疫抑制療法であるが、その免疫学的機序には不明な点が多く改善の余地がある。本研究では、PTCyを用いたマウスの移植モデルを用い、PTCyが各免疫細胞の移植後再構築に与える影響を評価し、PTCyが同種免疫反応に影響を与える免疫学的な仕組みを解明する。これを踏まえ、PTCyの最適な用法用量やPTCyの効果を高めることができる併用薬を明らかにすることで、PTCyの最適化を図る。得られた成果は、将来的に、ヒトにおける検証を経て患者の予後改善など社会的意義を期待できる、新たな免疫抑制療法としての確立を図る。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)を予防するための免疫抑制療法として臨床現場で既に実用化されている、移植後3・4日目にシクロフォスファミドを投与する免疫抑制療法(移植後シクロフォスファミド療法:PTCy)が、ドナー由来リンパ球によって引き起こされる移植後のGVHDや移植片対白血病効果(GVL効果)といった同種免疫反応に与える影響やその免疫学的メカニズムを解明するとともに、最適化されたPTCyの条件を明らかにすることを目的としている。 2022年には、PTCyがGVL効果及びGVHDの減弱に関与しており、同時に、同種抗原応答性のドナー由来PD-1陽性CD4あるいはCD8陽性T細胞も減少させることをマウスの移植モデルを用いて明らかにしたところであり、2023年においては追加実験による論理的補強を行うとともにこれを論文化して、査読付き雑誌において報告した(Exp Hematol. 2023 Jul:123:56-65. doi: 10.1016/j.exphem.2023.04.003.)。 また、ここまでの実験結果を踏まえて課題になっていた移植実験系の不安定さを改善するため、本研究課題の達成に必要な動物実験系の詳細条件について再検討し、前処置に用いる放射線線量やドナーマウスの週齢を見直した。これにより今後、B細胞や制御性T細胞といった他の免疫細胞において解析を行うにあたり、今まで以上に効率よく、かつ迅速で安定した実験を遂行することが可能になると見込まれる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で得られた結果を一部報告するとともに、研究目的を効率的に達成するために必要なモデルの改良を行うことができた。研究計画は順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年では、2023年度までの結果を踏まえ、種々の免疫細胞における移植後の動態を効率的に評価するために必要な機材の導入を行い、PTCyがGVHDやGVL効果に影響を与えている免疫学的メカニズムの解明を推進する。明らかにしたメカニズムをもとに、GVL効果の減弱を抑制しながらもGVHDを減弱することができる、最適化されたPTCyの条件に関する検討を目指す。
|