研究課題/領域番号 |
22K15571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室) |
研究代表者 |
池上 政周 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 骨軟部腫瘍科, 医長 (90830521)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | がんゲノムプロファイリング / FFPEアーチファクト / がんゲノムプロファイリング検査 / がん遺伝子パネル検査 / FFPE由来エラー / シークエンスアーチファクト |
研究開始時の研究の概要 |
がんのクリニカルシークエンスはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)処理された手術検体を用いて行われる。検体のFFPE処理はゲノムDNAの損傷を引き起こし、シークエンスエラーを引き起こす。申請者はFFPE検体にみられるシークエンスエラーの発生原理を特定、エラー除去アルゴリズムであるMicroSECを開発した。本研究課題の目的は、MicroSECを用いてがんゲノム情報管理センターに集積されている約2万症例から検出された変異情報を解析し、患者に報告された変異のうちエラーが占める割合を明らかにし、ビッグデータを用いた機械学習に基づく新規シークエンスエラー予測アルゴリズムを開発することである。
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研究成果の概要 |
NCCオンコパネルの開発段階のシーケンスデータを解析し、パイプラインがコールする変異のうち40%がFFPEアーチファクトであり、また少ないものの病的変異とアノーテーションされる変異が含まれていることを示した。さらに、AACR project GENIEで報告されている大量の変異に対して機械学習でFFPEアーチファクトを予測するアルゴリズムを作成し、パネル間でエラー頻度が異なることを確認した。C-CAT利活用データのraw data公開が遅延したためいまだ研究は完了していないものの、実施体制は整備できており、FFPEアーチファクト除去の必要性と意義を今後明らかにし臨床に実装することを目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんゲノム医療において、検出された変異が真の変異なのかエラーなのか不確実な状態では、仮に遺伝子変異にマッチした治療が存在したとしても実施に踏み切ることに心理的抵抗が生じ、また無意味な治療が行われるリスクもある。本研究はNCCオンコパネルの開発時点のデータではあるが治療選択に影響を与えうるエラーがあることを明らかとし、エラー予測アルゴリズムの臨床実装の必要があることが確認できた。
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