研究課題/領域番号 |
22K15585
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 陽平 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30791579)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MDシミュレーション / VUS / HER2 / がんゲノム医療 / 分子動力学シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
がんのゲノム情報を個別化医療に役立てる、がんゲノム医療が普及しているが、検査結果から恩恵を受けられる患者の割合は未だ少ない。結果をさらに活かすためには、病的意義が不明の遺伝子バリアント(VUS)の効率的な機能解析が重要であり、今回スーパーコンピューターによる分子動力学シミュレーション解析という手法を用いて課題解決に取り組む。本研究では我々の以前の研究結果をベースとして、HER2遺伝子の細胞外ドメインのVUSの機能解析を主に対象として研究を行う。研究は病原性の可能性が高いVUSを効率的に抽出した後、活性化メカニズム毎に分類してベストな治療アプローチを探索するというフローで実施する。
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研究実績の概要 |
がん遺伝子パネル検査を臨床活用推進のための、病的意義不明の遺伝子バリアント(Variants of unknown significance; VUS)の効率的な機能解析のための、スーパーコンピューターによる分子動力学(MD; Molecular Dynamics)シミュレーション解析を実施している。これは病原性の可能性があるVUSを効率的に抽出し、活性化メカニズム毎に分類する、という新たなVUS解析手法の構築のための研究である。研究では我々の以前の研究結果をベースとして、HER2細胞外ドメインでの解析をケースモデルに研究を行っている。 これまで、解析対象バリアントの検討を実施し、いわゆるポジティブコントロールとして使用する病原性バリアントと、それらを用いて評価を行うための対象となるVUS側のバリアントの抽出を完了させた。また、HER2細胞外ドメインのMDシミュレーションを実行するための初期構造モデルに関して、我々の前回の研究以降HER2-HER3ダイマー構造が新たに報告されていたため、その情報も取り入れたHER2ダイマーの初期構造決定(HER2-EGFRやHER2-HER2の構造はまだ実験的には明らかになっていない)のためのスーパーコンピューター富岳を用いた計算を実施し完了させた。また、病原性バリアントのHER2ダイマーとHER2モノマーにおけるMDシミュレーションを現在進めている。さらに、我々が以前の解析でHER2-EGFRヘテロダイマーが活性化メカニズムの一因である事を明らかにしたHER2 E401G変異に対して、そのバリアントをもつがんモデルを用いてin vitroとin vivoでの実験で、推定したメカニズムに基づく治療が有望であることを明らかにし、その内容を論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の節電の必要性によって富岳の計算が一時抑制された事なども、進捗には一部影響した。しかし、その後は通常どおりの計算が可能になり、概ね予定通りに研究を進める事ができている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、現在は病原性バリアントのMDシミュレーション計算を富岳で実行中である。計算量が多いためまだ計算が完了しておらず、今後も継続して、計算後処理を行なった後に結果の解析・解釈を行い、病原性バリアントのMDシミュレーション上の特徴を明らかにする。また、病原性が明らかになっているが活性化メカニズムが不明であるバリアントについても、それをカテゴリー化していくことで今後の治療アプローチの検討のために有効である可能性があるため、そういった視点でも解析を進める予定である。その後、VUSのMDシミュレーションに関してさらに計算を実施し、VUS機能推定のための解析手法の構築を進めていく。
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