研究課題/領域番号 |
22K15588
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉村 彰紘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研修員 (10927221)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | コンパニオン診断法 / 肺がん / 分子標的薬治療 / 治療抵抗性 / AXL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの初回治療導入時に生じるAXLシグナル活性による治療抵抗性機構に着目した。初回治療としてオシメルチニブが投与されるEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者を前向きに100例登録して、腫瘍組織内のAXL発現とオシメルチニブの治療効果との関連について評価を行う。本研究は、我が国でEGFR遺伝子変異陽性肺がん症例を対象とした初回併用治療に関する将来的な治験・臨床試験の実施を想定し、新規コンパニオン診断法としての有用性を検証するものであり、重要な研究成果につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対して、AXL高発現群は、AXL低発現群と比較してオシメルチニブの無増悪生存期間の有意な短縮を認めた。また、腫瘍内PD-L1発現をも組み合わせたAXLおよびPD-L1の高発現群は、他の群と比較して無増悪生存期間のさらなる短縮を認め、これらがオシメルチニブ治療におけるコンパニオン診断法として有用であることが期待される。細胞株実験において、AXLタンパク質の過剰発現がPD-L1の発現を促進し、オシメルチニブに対する不感受性を誘導することが示され、TCGAデータベースでは、肺腺がんコホートにおいて、AXL RNAレベルはPD-L1発現と正の相関を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor: EGFR)遺伝子変異を有する肺がんに対し、オシメルチニブは有効な薬剤であるが、一部の症例で生じる治療早期から薬剤耐性は臨床的な課題の一つである。そこでAXLシグナル活性による治療抵抗性機構に着目し、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんにおいてもAXL分子が治療抵抗性に影響を及ぼすことを明らかにした。我が国でEGFR遺伝子変異陽性肺がん症例を対象とした初回併用治療に関する将来的な治験・臨床試験の実施が想定されるが、本研究結果は新規コンパニオン診断法として有用性があり、重要な研究成果につながることが期待される。
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