研究課題/領域番号 |
22K15592
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
武田 幸樹 日本医科大学, 医学部, 助教 (00875718)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 循環腫瘍細胞 / CTC / cell free DNA / liquid biposy / Cancer cell filinder |
研究開始時の研究の概要 |
担癌患者の末梢血に存在する循環腫瘍細胞(CTC)を用い、非侵襲的に反復して遺伝子診断を行うことが可能となった。CTCからはタンパクやmRNAが採取できその利用が期待されるが、課題は同定法が困難なことである。Genotypeの違いがCTCの形状に影響を与えることも知られている。本研究の目的は画像診断と人工知能を用いたCTC同定法の開発である。ヒト臨床検体で細胞の形状と明度の違いからCTCを同定し、その形状からGenotypeを判定する方法の開発に取り組む。 細胞形態から遺伝子情報を同定することは安価で革新的な方法であり、癌の遺伝子情報のReal time monitoringに極めて有用である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はヒト末梢血内に存在する血球細胞と循環腫瘍細胞を形状から判別する方法を開発することである。この方法が確立されれば、さらに循環腫瘍細胞の形状から例えばRAS変異の有無を判別する方法の開発に挑む。 まず初めにそれぞれの細胞が正円に近い形かどうか(短軸と長軸の長さの差が小さい)で腫瘍細胞かどうかを判定することを試みた。Cell lineを血液に混入させたスパイク実験では、短軸と長軸の長さが大きい腫瘍細胞を同定することが可能であったが、同定できたのは混入した腫瘍細胞の約80%のみであった。続いて長軸上の明度をプロットした曲線で変曲点が3つ以上ある細胞も腫瘍細胞と考え、この方法も併用したところ短軸と長軸の長さが少ない細胞においても腫瘍細胞と思われるものが混在していることが明らかになった。さらに、腫瘍細胞表面の細かな凹凸(テクスチャ)が血球細胞よりも大きいことがわかったため、現在テクスチャを用いた判別法について試行錯誤を重ねているところである。 現在は、ヒト検体を用いて①正円性(長軸と短軸の長さの差)、②明度変曲点の数、③テクスチャ、それぞれが血球と腫瘍細胞の分別に利用できることがわかったが、①②③の方法のそれぞれの閾値をどう設定すると最も効率よく分別できるかどうかを検討している段階である。同一検体の中でも、また患者間でも循環腫瘍細胞は実に多様な形態をとることがわかってきており、単純に閾値を決めるよりも、①②③のデータから人工知能により総合的な判定をした方がよい可能性があり、外部の人工知能の専門家の意見を取り入れながら検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
形状から腫瘍細胞と血球細胞を判別する方法として前述のように①正円性(長軸と短軸の長さの差)、②明度変曲点の数、③テクスチャ、3つが利用できることがわかり、まずまずの成果と考えている。現在の問題点として1.細胞が横になってしまったり、2.クラスターを形成して細胞が重なってしまうと①―③いずれの方法も利用できないといことがあげられる。 そこでクラスターを(1)血球のみで形成されるクラスター、(2)腫瘍細胞のみで形成されるクラスター、(3)腫瘍細胞と血球が混在するクラスターに分類することに取り組んだ。(1)ではクラスターを形成している細胞がほぼ同じ形しているのに対し、(2)は形が少しずつ異なる細胞が混載しており、(3)はよく似た形の細胞の中に形がことなる細胞が混在していることがわかってきた。 クラスターは各検体の中に少数のみ存在するため、まだ十分な数の検討ができていないが、クラスター形成をする循環腫瘍細胞は高い転移能を有する可能性が指摘されているため、重要なポイントと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、前処理を行わず、すべての細胞を撮影、解析していたがデータ量が膨大になるため、ある程度血球を除去した後に画像解析を行うことを考えている。抗体を用いて免疫染色する方法は本法のひとつの特徴である生きた細胞を採取するという特徴を損なうことになり、サイズを用いる方法は転移能が高い上皮間葉転換した細胞(間葉転換していない細胞よりも小さい可能性がある)をとり逃す可能性があるため、流路に微量の電圧をかけ、血球と腫瘍細胞の電気学的特性の差からふたつの細胞を分離した後に画像解析する方法の開発に取り組んでいる。電気学的特性からは完全に腫瘍細胞を分離できないが、多くの血球を除去できそうである。 本年度は主にクラスターの分類方法と電気学的分離と画像解析の併用による検査効率の改善に取り組む予定である。
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