研究課題/領域番号 |
22K15595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
久保 秀正 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (60847226)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵癌 / 膵腫瘍 / 酵素 / 代謝 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は最も予後不良な癌の一つである。個々の患者に最適な過不足のない手術を実現するために、術中の正確で迅速な診断が求められている。近年、蛍光ガイド手術による癌の術中リアルタイムイメージング研究が発展している。Activatable型酵素活性検出蛍光プローブは、癌特異的に発現する酵素の活性を利用して、その場で局所に噴霧するだけで迅速に癌特異的な蛍光イメージングを可能にする。本研究では、当院で行っているマルチオミクス解析結果をもとに、膵癌特異的酵素を明らかにし、同酵素を検出可能な蛍光プローブによる膵癌の術中リアルタイムイメージングの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
膵癌は最も予後不良な癌の一つであり、遠隔転移を伴う症例に不要な手術を避け早期に化学療法を行うことや、癌遺残のない切除を行うために、術中の正確で迅速な診断が求められている。近年開発されたactivatable型酵素活性検出蛍光プローブは、癌特異的に発現する酵素の活性を利用して、その場で局所に噴霧するだけで迅速に癌特異的な蛍光イメージングを可能とする。本研究の目的は、当院で行っているマルチオミクス解析結果をもとに、膵癌特異的に発現する標的酵素を明らかにし、同酵素を検出可能な蛍光プローブを探索または開発し膵癌の術中リアルタイムイメージングの実現を目指すことである。 当該年度では、前段階の検討として、マルチオミクス解析結果から膵神経内分泌腫瘍における特異的酵素の探索を行った。まず蛍光プローブに応用できる可能性がある酵素として酸化還元酵素、加水分解酵素、転移酵素の遺伝子発現データから873種類を選択した。腫瘍部および正常部の比(T/N比)を算出して、873種類の遺伝子からT/N比が5倍以上の酵素をピックアップしたところ12種類が選択された。このうち、イメージングすることでより恩恵があると考えられる高発現が予後因子になる酵素を探索したところ、B3GAT1遺伝子が選択された。保存検体において実際に蛋白質としての発現があるかどうかを半定量的に検討したところ、遺伝子発現と蛋白質発現に相関が認められた。B3GAT1は膵神経内分泌腫瘍をイメージングする蛍光プローブの標的酵素の候補になりうると考えられた。実際に蛍光プローブに応用可能か、またイメージング可能かどうかは今後の検討課題である。また同様の手法において膵癌の候補酵素の探索も今後行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵腫瘍として膵神経内分泌腫瘍をイメージングする蛍光プローブの標的酵素の候補は同定することができた。しかし蛍光プローブの開発はまだのため、実現には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
B3GAT1活性検出蛍光プローブの開発が可能かどうかを検討する。また膵癌の標的酵素の探索も今後行う予定である。
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