研究課題/領域番号 |
22K15600
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
村岡 優 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20596887)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | リキッドバイオプシー / 肝細胞癌 / digital PCR / TERT promoter変異 / DNAメチル化 / cell free DNA / デジタルPCR |
研究開始時の研究の概要 |
癌に対する薬物治療の課題のひとつは、治療反応性と治療抵抗性の早期評価にある。近年、癌診療における非侵襲的な解析方法として、リキッドバイオプシー(液体生検)が注目されている。血液中にはDNA以外にも蛋白、RNA、エクソソームなどの腫瘍由来因子が含まれリキッドバイオプシーのターゲットとなる。 切除不能な進行肝細胞癌に対する薬物治療効果は症例によるばらつきがみられる。肝細胞癌に対する薬物治療の有効例と不応例で、治療前の腫瘍生検組織からの癌関連因子の比較と、同一症例の治療前と治療中の末梢血中の腫瘍関連因子の検出量の比較により、治療の反応性を治療開始後早期に予測する。
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研究成果の概要 |
cfDNA(Cell Free DNA)の中には腫瘍由来のDNAが含まれている。免疫チェックポイント阻害剤の治療効果との関連が報告されているCTNNB1変異とHCCにみられるDNAのメチル化のうち癌特異的なSEPT9に注目し、それぞれの異常を有するcfDNAをdigital PCRを用いて高感度に検出する方法を確立した。TERT promoter C228T変異はHCCに高頻度にみられる変異である。アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法中のTERT promoter変異陽性cfDNA (Mutant DNA)量の変化と治療効果の関連を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌に対する分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤の有効例と無効例を事前に予測することは困難である。無効例では早期の治療変更が必要であり、有効例と考えられる症例でも治療中に治療抵抗性のある腫瘍がみられることがある。腫瘍の悪性度や治療に関連する可能性がある腫瘍因子の異常を迅速に評価できることは治療薬選択において有益であり、腫瘍量を的確に反映する腫瘍因子を経時的に評価することで適切な時期に治療方法を変更できるようになる。Digital PCRを用いて得られた肝細胞癌の腫瘍因子の情報が生命予後延長に寄与することが期待される。
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