研究課題/領域番号 |
22K15602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
向山 宣昭 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40847521)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | CAR-DC / 樹状細胞 / 抗原提示 / 免疫記憶 / キメラ抗原受容体 / 細胞療法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、腫瘍内で樹状細胞 (Dendritic cell : DC)を活性化させることにより、腫瘍内にT細胞が集積することが明らかになった。そこで、申請者の研究室では腫瘍表面抗原を特異的に認識するキメラ抗原受容体 (chimeric antigen receptor : CAR)を介しDCを活性化させるCAR発現DC (CAR-DC)療法を開発(特許申請中:2021-005337)し、腫瘍内T細胞の増加と抗原特異的な抗腫瘍効果を確認した。本研究は、新規細胞療法CAR-DCの抗原特異的な抗腫瘍効果の機序解析、またCAR-DCと免疫チェックポイント阻害剤の併用効果の検証を目的とする。
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研究成果の概要 |
CAR細胞療法は単一の単鎖可変領域フラグメント(scFv)を介して標的抗原を認識し標的細胞を攻撃することから、標的抗原の多様性ならびに欠損により効果を失う。そこで我々はDCが多様な抗原を提示することが可能であることから、標的抗原を発現している腫瘍と発現していない腫瘍を混ぜてマウスの皮下に移植し、標的抗原が欠損している腫瘍を含んでいる腫瘍(ヘテロ腫瘍)に対するCAR-DCの抗腫瘍効果を検討した。その結果、CAR-DCの抗原特異的T細胞の活性化、ヘテロ腫瘍に対する強い抗腫瘍効果ならびに免疫記憶の成立を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CD19を標的とするCAR-T細胞は血液悪性腫瘍の患者に顕著な有効性を示しているが、固形腫瘍患者におけるCAR-T細胞療法に対する効果は散発的かつ一過性である。その理由として、支持組織によるCAR-T細胞の侵入抵抗性とともに、固形腫瘍はヘテロな集団であることから複数の癌抗原の発現量は様々であり、単一の抗原認識をするCAR-T細胞では限界があると考えられる。従って、ヘテロ固形腫瘍に対して効果を発揮するように改良された新規細胞療法の開発は急務といえる。本研究によりCAR-DCがヘテロ腫瘍に対して強い抗腫瘍効果を示したことから、臨床においてヘテロ固形腫瘍に対する効果が期待できる。
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