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乳がん患者における腫瘍流入領域リンパ節の免疫微小環境解析を用いた新規治療戦略開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K15605
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関京都大学

研究代表者

山口 絢音  京都大学, 医学研究科, 助教 (00942947)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード腫瘍免疫微小環境 / 乳がん / TIL / CD169 / 転移-非転移リンパ節 / 腫瘍流入領域リンパ節
研究開始時の研究の概要

乳がん患者の腫瘍流入領域リンパ節(Tumor-draining lymph nodes:TDLNs)である腋窩リンパ節と腫瘍免疫微小環境を、マスサイトメトリーを用いた空間的免疫細胞プロファイリング解析と網羅的な遺伝子発現解析を組み合わせて解析する。TDLNsと腫瘍組織切片を金属抗体にて標識し免疫細胞のフェノタイプを空間的に評価すると同時に、その中に含まれる細胞の遺伝子発現を一挙に調べる解析方法である。
本研究では、バイオバンクを最大限に活用して、TDLNsにおける免疫微小環境の変化が腫瘍免疫微小環境の制御に関わるという新しいコンセプトを確立することを目的とする。

研究実績の概要

我々はトリプルネガティブ乳癌患者において術前化学療法にシスプラチン(CDDP)を使用した群と非使用群の、治療後の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を比較解析し、予後との関連において有望なデータを得た。この結果を含む論文が、Breast Cancer Research and Treatmant誌に掲載された。CDDP使用群における再発患者はいずれもlow-TILであったのに対して、非使用群ではHigh-TIL群,Low-TIL群の両群で再発の有無に差が見られなかった。CDDPが腫瘍微小環境免疫に影響することを示唆するとともに、免疫細胞ががんの再発抑制に関与していることを示している。
乳がん患者の転移リンパ節において、CD169マクロファージという、腫瘍免疫に関して特殊な働きをもつマクロファージが減少していることに着目した。空間トランスクリプトーム解析およびイメージングマスサイトメトリーにおいても、転移リンパ節においてCD169マクロファージが最も減少している免疫細胞であることが分かった。474のリンパ節を用いて転移リンパ節と非転移リンパにおけるCD169マクロファージの個数を、免疫染色を用いて比較したところ、乳がんのすべてのサブタイプで減少していることがわかった。リンパ節に転移したがん細胞がCD169マクロファージを選択的に排除し、免疫反応の初動体制を抑制していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トリプルネガティブ乳癌における術前化学療法としてのシスプラチン使用についての論文化が完了した。
トリプルネガティブ乳癌を含む同一乳癌患者における転移リンパ節-非転移リンパ節をペアとしたイメージングマスサイトメトリー、Visium空間トランスクリプトーム解析、免疫染色による解析を行い、転移リンパ節において、マクロファージ、特にCD169マクロファージが最も減少している免疫細胞であることが分かった。474のリンパ節を用いて転移リンパ節と非転移リンパにおけるCD169マクロファージの個数を、免疫染色を用いて比較したところ、乳がんのすべてのサブタイプにおいて、CD169マクロファージが減少していることがわかった。

今後の研究の推進方策

乳がん患者の腋窩リンパ節を用いたマルチオミクス解析、空間トランスクリプトーム解析およびイメージングマスサイトメトリーにおいて、転移リンパ節において、マクロファージ、特にCD169マクロファージが最も減少している免疫細胞であることが分かった。474のリンパ節を用いて転移リンパ節と非転移リンパにおけるCD169マクロファージの個数を、免疫染色を用いて比較したところ、乳がんのすべてのサブタイプにおいて、CD169マクロファージが減少していることがわかった。以上より、リンパ節に転移したがん細胞がCD169マクロファージを選択的に排除し、免疫反応の初動体制を抑制していることが示唆された。転移した乳がん細胞がどのようにしてCD169マクロファージを排除しているのかというメカニズムに関しては分かっておらず、今後の課題としている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Comparison of cisplatin-based versus standard preoperative chemotherapy in patients with operable triple-negative breast cancer: propensity score matching and inverse probability of treatment weighting analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Ayane, Kawaguchi Kosuke, Toi Masakazu, et al.
    • 雑誌名

      Breast Cancer Research and Treatment

      巻: 204 号: 2 ページ: 261-275

    • DOI

      10.1007/s10549-023-07163-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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