研究課題/領域番号 |
22K15607
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二宮 貴一朗 岡山大学, 大学病院, 助教 (80788802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | CTLA-4 / 免疫療法 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は複数のがん種で効果が証明されているが、その効果は限定的であることから効果予測バイオマーカーが求められている。特に抗CTLA-4抗体の上乗せ治療は、抗PD-1抗体単剤治療と比較し効果が高まるものの有害事象も増加するため、有効な患者を見出すことが喫緊の課題である。 本研究では、抗CTLA-4抗体を上乗せすることにより腫瘍に浸潤した抑制性Tリンパ球を除去することでICIの効果をさらに高めることができるという仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬である抗CTLA-4抗体の効果予測因子の推定のため、非臨床モデルを用いて研究を実施している。すでに多くの癌腫で臨床応用されている抗PD-1抗体は、PD-1陽性腫瘍浸潤T細胞が重要であるが、PD-1陽性腫瘍浸潤抑制性T細胞(Treg)が存在すると効果が減弱することを前研究で示した(Togashi Y, Nat Immunol 2020)。TregはCTLA-4を高発現していることが知られており、抗CTLA-4抗体を併用することで治療効果を上げる(効果予測因子となる)ことが予想される。前臨床モデルとして、皮下腫瘍モデルマウスにPD-1発現強度を変化させたTregを輸注し、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体を併用し抗CTLA-4抗体の併用により抗腫瘍効果が高まる点を評価する研究を実施している。また、実際に抗CTLA-4抗体併用療法を実施した非小細胞非肺がん症例の組織を評価し、浸潤Tリンパ球のCTLA-4の発現程度と臨床効果を評価する。今後、これらの研究結果を公表予定とする。 免疫チェックポイント阻害薬の一番の課題は有効であるとされる患者集団を見出すことができない点にある。さらに、抗CTLA-4抗体による有害事象は昨今問題となっている。今回の検討により免疫チェックポイント阻害薬のひとつである抗CTLA-4抗体の効果予測因子を新たに見出すことは臨床的に意義が高いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験は計画的に行っているが、実験モデルマウスの繁殖の問題でやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上述したマウスモデルの実験計画を遂行していく予定である。また、臨床検体を収集するため、所属する大学病院だけでなく連携する病院とも共同研究という形での実施を検討する。
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