研究課題/領域番号 |
22K15608
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松岡 祐貴 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40552807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 希少糖 / 抗腫瘍効果 / TXNIP |
研究開始時の研究の概要 |
根治切除不能尿路上皮癌に対する薬物療法は満足できる治療アウトカムに達しておらず、新たな治療戦略の確立が喫緊のUnmet needsである。希少糖は「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義され、近年その様々な生理活性が明らかとなりつつある。現在までに我々は希少糖の1種であるD-alloseの尿路上皮癌に対する高い抗腫瘍効果(in vitro & in vivo)を証明した。本研究の目的は、未だ未解明の「D-alloseの尿路上皮癌に対する抗腫瘍メカニズム」を明らかにすることで、得られる成果は尿路上皮癌に対するD-alloseを用いた新規治療戦略の構築に必要な基盤的データとなる。
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研究実績の概要 |
抗腫瘍効果のメカニズムを検討するため、TXNIPの発現を検討した。Western blottingでは、D-allose(濃度10、25、50mM)投与後の3種類すべてのヒト膀胱癌細胞株で濃度依存性にTXNIPの発現を促進させた。 さらにFACS解析では、そのヒト膀胱癌細胞内のROS濃度の有意な上昇を誘導した。また抗酸化剤であるグルタチオンとD-alloseの共処理により、D-alloseによるヒト膀胱癌細胞内のROS濃度の上昇とcell viabilityの阻害が抑制された。 以上、in vitroの結果によって、D-alloseの膀胱癌細胞に対するTXNIP発現を介したROS濃度上昇による抗腫瘍効果を証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は予備実験により証明された希少糖D-alloseのヒト尿路上皮癌細胞に対する抗腫瘍効果におけるメカニズムを解明することである。 現在までにTXNIPの発現とROS濃度の上昇が関与していることが明らかとなった。これはメカニズム解明の第一段階としておおむね順調な経過といえる。
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今後の研究の推進方策 |
D-Alloseの細胞内取り込みメカニズムを解明するために、取り込みを主導するTransporterを特定する。 具体的には、D-alloseを取り込まない細胞(前立腺癌細胞)と取り込む細胞(腎細胞癌 細胞)とのGlucose transporterの発現比較でD-alloseの候補Transporterを抽出する。 また、人体に対する安全性を確認するために、ヒト正常、および尿路上皮癌細胞・組織における D-alloseの取り込み能を解析する。
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