研究課題/領域番号 |
22K15621
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 博之 京都大学, 工学研究科, 助教 (20909808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳機能計測 / fMRI / 低磁場MRI / 低周波磁場計測 / スピンロックシーケンス / 低磁場fMRI / Bloch方程式 / 解析解 / 機能的MRI / spin-lock sequence |
研究開始時の研究の概要 |
fMRIはMRIを用いて非侵襲的に脳機能を計測する手法であり、申請者は磁気共鳴現象により神経磁場を計測するspin-lockシーケンスを用いたfMRI (SL-fMRI)の検討を進めてきた。これは、従来のfMRIが有していたMRIの静磁場強度や時間分解能における制約を克服できる一方で、低周波信号の計測に制約を有しており、定量的な制約条件の調査や、応用に向けた改善策の必要性が明らかとなった。そこで、本研究では、この制約条件を解析解を用いて同定し、変調などのspin-lockシーケンスの改良を通じて、低磁場MRIにおけるSL-fMRIでのα波や徐波帯域の神経活動計測を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、MR装置を用いて脳活動を可視化する機能的MRI (fMRI) の手法の1つであるスピンロックシーケンスに着目した。これは神経磁場をMR画像コントラストとして可視化できる手法であり、従来のfMRIの制約を克服することを期待されている。 本課題では、このスピンロックシーケンスにおける計測可能な低周波について検証を行った。また、計測可能な周波数領域の拡大を目指しスピンロックパルスの位相変調を用いたシーケンスについても提案を行った。結果、提案シーケンスを用いることで、輝度変化とトレード・オフではあるものの、短いスピンロックパルスの印加時間でも信号変化の極大点を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピンロックシーケンスは、神経磁場を画像コントラストに直接反映させる手法であるため、従来手法の課題であった血行動態応答の遅延による低時間分解能が克服できることが期待されている。しかし、スピンロックシーケンスは周波数特性を有し、特に低い周波数の活動を計測する際に制約があることが示唆されていた。そこで、本研究では、新たな手法を提案し、数値計算でも2 Hz程度の周波数まで計測可能性があることを示した。これにより、スピンロックシーケンスの適用範囲が広がり、脳機能計測の発展に貢献できたと考える。
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