研究課題/領域番号 |
22K15651
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
上野 真一 順天堂大学, 医学部, 助教 (40875944)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 血液脳関門 / 多系統萎縮症 / 進行性核上性麻痺 / αシヌクレイン / ダイナミック造影MRI / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)はα-シヌクレイン(AS)の蓄積が関与する神経変性疾患で、患者は多彩な神経障害に苦しむが疾患修飾療法はない。異常構造型ASはβシート構造を有し、正常型を巻きこむ凝集連鎖により線維化し神経変性を引き起こし、神経回路に沿って伝播すると想定される。しかし病変は全身に広がるため、血液を介した伝播が重要と考え、血清に循環する微量ASシード検出に成功した(特願2018-159694)。そして脳と末梢組織には血液脳関門(BBB)という関所が存在し、ASシードがどのようにBBBを通過し進展するのか未解である。そこで我々はPDとBBB機能破綻との関連に着目した病態解明と治療開発を提案する。
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研究実績の概要 |
パーキンソン病における血液脳関門の障害について、血液を循環するα-シヌクレインシードや、炎症性サイトカインなどの影響により破綻を生じ、病態とどのように関連するかを検討した。まず、パーキンソン病患者剖検脳を用いて、免疫組織学的な評価を行ったところ、血管周囲にリン酸化α-シヌクレインの凝集を認め、それはタイトジャンクション分子であるZO-1との共局在を確認した。そして、パーキンソン病患者9例に対して、ダイナミック造影MRIを撮影したところ、特に前頭葉中心傍小葉の血管透過性が顕著であった。バイオマーカー測定のために、MRIを施行したパーキンソン病患者の臨床症状や、血液、髄液などサンプリングも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パーキンソン病患者剖検脳と、患者例について血管周囲のリン酸化α-シヌクレイン集積を確認することができた。そして頭部MRI含め臨床データや血液、髄液などのバイオマーカーのサンプリングを行うこともできた。一方、バイオマーカー測定、マウスモデルの解析には至っておらず、今後進めていく方針である。
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今後の研究の推進方策 |
サンプリングした血液、髄液をもとにバイオマーカー測定を行い、BBB破綻の程度を観察する。さらにマウスモデルを用いて、パーキンソン病患者で生じている変化を、詳細に観察するとともに疾患修飾療法の可能性について検討をする。
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