研究課題/領域番号 |
22K15669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中里 祐毅 宮崎大学, 医学部, 助教 (90885972)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経免疫 / 多発性硬化症 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / アナモレリン / グレリン / ケモジェネティックス |
研究開始時の研究の概要 |
多発性硬化症は、髄鞘構成成分に対する自己反応性T細胞が中枢神経内へ浸潤し、炎症を誘導することで引き起こされる中枢神経系の自己免疫疾患である。多発性硬化症における神経細胞と免疫細胞の相互作用はこれまで十分に解明されていない。本研究ではケモジェネティクスを用い、神経細胞特異的にその活動性を制御することで、神経細胞とリンパ球をはじめとした免疫機構の相互作用を、病態形成期および回復期において検討する。 多発性硬化症モデル動物に対して治療有効性が示されている生理活性ペプチド グレリンの経口低分子アゴニストであるアナモレリンが2021年に発売された。モデルマウスにおけるアナモレリンの治療効果を検討する。
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研究実績の概要 |
これまで多発性硬化症モデル(Experimental autoimmune encephalomyelitis)マウスに対する生理活性ペプチド グレリンが神経障害に対して抑制的に作用することが明らかにされている(Theil MM et al. J Immunol 2009)。 我々は、EAEに対するグレリン受容体選択的作動薬であるアナモレリンの治療効果およびその作用メカニズムについて研究を進行中である。 EAEマウス(雄)にアナモレリンを連日腹腔内投与すると、運動障害は改善した。ヘマトキシリンエオシン染色で炎症巣は軽減し、抗MBP抗体による免疫染色で脱髄は抑制された。フローサイトメトリーでは脊髄内へのリンパ球の浸潤は減少傾向を示し、特に抗CD4抗体による免疫染色により、CD4陽性細胞の中枢神経浸潤が抑制されることがわかった。In vitro実験系としてEAEマウスの脾臓から採取したCD4陽性細胞にアナモレリンを直接添加したところ、炎症性サイトカインの遺伝子発現(TNFa、IFNg、IL-17 mRNA)はいずれも減少し、神経保護因子の遺伝子発現は変化がなかった。またグレリン受容体欠損マウスにEAEを誘導すると、アナモレリンによる神経障害抑制作用はみられなくなった。これらのことから、アナモレリンは多発性硬化症病態に対して抗炎症的に作用し、組織障害を軽減することで神経障害を軽減を示すこと、またその作用はグレリン受容体を介していることが示唆された。アナモレリンによる神経障害軽減効果は雌マウスでの実験でも認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多発性硬化症モデル(Experimental autoimmune encephalomyelitis)マウスに対するグレリン受容体選択的作動薬であるアナモレリンの治療効果およびその作用メカニズムについて研究は、in vivoの行動評価や分子遺伝学的解析、組織学的解析に加え、in vitro実験系を用いた実験、グレリン受容体欠損マウスを用いたin vivo実験などを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
多発性硬化症モデル(Experimental autoimmune encephalomyelitis)マウスに対するグレリン受容体選択的作動薬であるアナモレリンの治療効果およびその作用メカニズムについて研究について、定量PCRやELISA、ウエスタンブロッティングなどを用い、分子レベルでのメカニズム解明を進めたい。 胸髄限局型EAEマウスにおけるDREADD(Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs)を用いた神経細胞と免疫細胞の機能連関に関する研究については、ウイルス作成の最適化を行い、in vivoでの投与実験を行いたい。
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