研究課題/領域番号 |
22K15674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
林 哲範 北里大学, 医学部, 講師 (30458830)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 糖尿病 / 慢性合併症 / 持続グルコース測定 / 血液透析 / 血糖変動 / 新規バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
CGMによる詳細な血糖動態の評価は血糖変動や無自覚性低血糖の把握を可能とし、糖尿病診療・研究の主要な方法となってきた。我々は当院で既にCGMを実施した患者の詳細なデータベースの構築を行い、どのような血糖動態が血管障害の発症・進展に寄与しているのか、明らかにする。加えて、血糖変動や低血糖を予測するバイオマーカーの探索を行い、今回の研究結果を統合することにより、予測精度の高いバイオマーカーの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
持続グルコース測定(CGM:continuous glucose monitoring)は近年、本邦でも広く糖尿病の日常診療・臨床研究に用いられており、2019 年には新たなCGM血糖管理指標として、血糖 70~180 mg/dL が占める時間である time in range などのCGM metricsが提唱された。しかし、CGM血糖管理指標と糖尿病合併症の関係に関する検討は少ない。当院のCGMデータベースを構築し、CGM血糖管理指標と糖尿病性神経障害、網膜症、腎症や大血管障害、生命予後の関係を明らかにすることを目指している。加えて、CGM metricsを反映する新規バイオマーカーの探索を行う。2022年度はデータベースの構築を進め、予定よりも多少の遅延はあったが、2022年度前半にデータベースのオリジナルは完成した。2023年度は、欠損データや各種糖尿病の病態により追加で抽出が必要なデータを現在も追加し、バージョンアップを繰り返している。すでに糖尿病血液透析患者のCGMデータベースは、糖尿病血液透析患者の特有のデータを含め抽出でき、現時点では完成版といえる。2022年度にはCGMを施行した2型糖尿病血液透析患者を対象とし、HbA1c値とグリコアルブミン値のCGM metricsとの関係や、CGM metricsと糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症の関係を報告し、2型糖尿病血液透析患者においても TIR をもとにした血糖管理の有用性が示唆された。2023年度には、2型糖尿病血液透析患者を対象とし、透析開始時グルコース値と透析終了時グルコース値の意義について報告し、また血液透析中の2型糖尿病高齢者の血糖動態の特徴について報告した。現在、これらの研究成果について、論文投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CGMデータベースのオリジナル版はほぼ完成し、各種病態での詳細なデータ抽出に時間を有している。血液透析患者のデータベースを用いた研究結果を複数報告できている点では計画以上の進捗であるが、バイオマーカーの探索の検討はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は糖尿病血液透析患者のデータベースを用いた検討をさらに進め、CGM metricsとhard endpoint(心血管イベント、全死亡)の関係の検討を予定している。併せて他の糖尿病病態のデータベースの詳細を作成するとともに、CGM metricsを反映するバイオマーカー探索も進めていく予定である。
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