研究課題/領域番号 |
22K15677
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
海上 耕平 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70746461)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / 腎移植 / mRNAワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
SARS-CoV2による新型コロナウイルス感染症は全国的に流行しており重篤な転帰をたどる。特に移植患者は免疫抑制下のため感染の重症化が懸念されており、感染制御のためワクチン接種が行われているが、抗体獲得性低下が判明してきている。一方で、移植患者が感染した場合抗体獲得性は分かっていないことが多く、特に抗体価の推移は今後の加療の面で非常に重要である。腎移植後、SARS-CoV2感染患者の抗体測定およびその長期的な推移を調べる。
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研究実績の概要 |
2020年にSARS-CoV2に感染した腎移植患者30名に対して、LABScreenTM COVID Plus(One Lambda Inc)を用いて抗体価測定を行った。感染患者において、1年ないし2年という一定期間経過後もS抗体(full spike (extracellular domain)、spike S1、spike receptor-binding domain、spike S2)を保持している症例を認めている。しかし、その一方でnucleocapsid protein抗体は減衰を認めた。 さらに、感染後にS抗体を保持している患者において再感染する症例も認めたが重症化症例はなく、影響が考えられた。現時点で解析症例において拒絶反応の発生や新規抗ドナー特異抗体は認めなかったものの新規抗HLA抗体(非抗ドナー特異抗体)の発生を認めた症例があり、ウイルスによるサードパーティである可能性が極めて高いと考えられ、免疫抑制剤減弱との関連や、感染株による差異など、引き続き検討を行っていく。 また、2020年3月から2022年9月までの期間における当施設のSARS-CoV2感染、腎移植患者は2022年8月時点で累積280名を越えており、これは日本における臓器移植後のSARS-CoV2感染者の2割強にあたると考えられ、十分な対象患者を得ることができた。また、各流行株による変化などを検討することができると考えられる。さらに複数回にわたるSRA-CoV2感染症例やワクチン接種を感染後に組み合わせて行う症例もあり、抗体と感染制御の関連などの検討を行っていく。 これらの途中経過の概要を、第52回日本腎臓学会東部学術大会シンポジウム、第30回組織適合性学会大会シンポジウム、第58回日本移植学会総会一般公演にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SARS-CoV2感染流行により対象症例の獲得という面では非常に順調に進んだ。さらに、複数回感染症例や感染後ワクチン接種症例などさまざまなバリエーションに富む症例を獲得することができている。 その一方で、予想以上の感染流行の拡大であり、治療など臨床面での研究者の負荷も多くなり、進捗に負担を来した面もある。
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今後の研究の推進方策 |
感染後一定期間経過症例が増えてきており、抗体保持についての解析を行っていく。 さらに複数回感染症例や感染後ワクチン接種症例、実際の感染との関連など検討を行う。
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