研究課題/領域番号 |
22K15681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 天理大学 (2023) 天理医療大学 (2022) |
研究代表者 |
下村 大樹 天理大学, 医療学部, 研究員 (70723302)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 凝固波形解析(CWA) / 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) / 機械学習 / クロスミキシングテスト / プロトロンビン時間(PT) / 凝固因子活性低下 / 深部静脈血栓症 / 凝固波形解析 / 凝固異常症の鑑別 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床における血液凝固異常症には、出血性疾患と血栓性疾患という相反する病態が混在する。凝固異常を察知する検査として、プロトロンビン時間(PT)および活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が用いられているが、その値のみで凝固異常症の病態を鑑別することは難しく、簡易かつ迅速な鑑別法が求められている。凝固波形解析(CWA)は、血液凝固分析装置を用いたPT、APTT検査の反応機構で描出される凝固反応曲線を一次微分、さらに二次微分することで速度、加速度の変化を認識できる。そのため、簡易、迅速かつ汎用性が高い解析ツールであり、CWAによる凝固異常症の鑑別および障害の程度を評価するパラメータを創出する。
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研究実績の概要 |
血液凝固異常症には、出血性疾患と血栓性疾患という相反する病態が混在する。凝固異常を察知する検査として、プロトロンビン時間(PT)および活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が用いられているが、その値のみで凝固異常症の病態を鑑別することは難しく、簡易かつ迅速な鑑別法が求められている。本研究は凝固波形解析(CWA)から得られるパラメータを凝固異常症の鑑別として実用化を行うことが目的である。今年度は、昨年度に引き続き、APTTが延長した検体の収集ならびに一定の検体数が蓄積された疾患群ではCWAを測定した。 CWAは、血液凝固分析装置を用いたPT、APTT検査の反応機構で描出される凝固反応曲線を一次微分、さらに二次微分することで速度、加速度の変化を認識できる。そのため、簡易、迅速かつ汎用性が高い解析ツールであり、各種パラメータの臨床的意義については研究段階である。そこで、22のAPTTから得られた22のパラメータを人工知能(AI)技術により機械学習させ、ループスアンチコアグラント群、VIII因子欠乏・IX因子欠乏・VIII因子インヒビター群、ワルファリン群、直接経口抗凝固薬群、未分画ヘパリン群での分類精度を調べた。その結果、特異度95%に設定時の感度は、それぞれ79%、94%、98%、85%、83%であり、いずれも80%近い感度を有するモデルを構築することができた。さらに、APTT試薬におけるロット間差の影響が小さかったことを立証した。 また、CWAの機械学習による分類とクロスミキシングテスト(CMT)を比較したところ、ループスアンチコアグラント群はCMTが100%、機械学習が45%、VIII因子欠乏・IX因子欠乏群はCMTが92%、機械学習が83%、ワルファリン群はCMT、機械学習ともに100%であり、LAに対する分類能が劣ったが、その他は高い分類能を示すことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はさまざまな凝固異常症を用いてCWAを測定し、おおまかなCWAによる分類精度を求めることが大きな目的であった。機械学習を用いた分類により、約8割の分類精度が得られたこと、APTT試薬に付随する大きな問題点であるロット間差が小さい結果が得られたことは大きな収穫であった。
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今後の研究の推進方策 |
凝固異常検体をさらに収集・蓄積し、CWAを測定して機械学習を用いた分類精度を向上する、ならびに他の手法を用いたCWAの解析を模索する。
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