研究課題/領域番号 |
22K15683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細井 達矢 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70907831)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | サルコペニア / 長寿遺伝子 / Sirt1 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは加齢に伴う筋量・筋質の低下を特徴とし, 筋力や身体機能低下の原因となる. 超高齢社会を迎えた本邦において, その患者数は増加の一途であり, 寝たきりや要介護状態の主因を占めている. 長寿遺伝子として知られるSirt1は, 慢性炎症や分化制御, ミトコンドリア代謝を介してサルコペニアに対し保護的に作用することが報告されている.本研究では速筋特異的Sirt1KOマウスを作成し, 筋力や運動耐容能, 寿命や認知機能への影響, 遺伝子発現の変化を解析する. 長寿遺伝子の破綻からサルコペニアの機序を解明することは社会的急務であり, その病態生理的意義と創薬標的としての可能性を検討する.
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研究実績の概要 |
サルコペニアは加齢に伴う筋量・筋質の低下を特徴とし, 筋力や身体機能低下の原因となる. 超高齢社会を迎えた本邦において, その患者数は増加の一途であり, 寝たきりや要介護状態の主因を占めている. 長寿遺伝子として知られるSirt1は, 慢性炎症や分化制御, ミトコンドリア代謝を介してサルコペニアに対し保護的に作用することが報告されている. 本研究では速筋特異的Sirt1KOマウスを作成し, 筋力や運動耐容能, 寿命や認知機能への影響, 遺伝子発現の変化を解析する. 具体的にはCre-LoxPシステムを用い, 速筋特異的にSirt1機能を欠損させたマウスモデル(fmSirt1KO)を樹立した. fmSirt1KOマウスと対照群の比較では, 若齢時点では筋重量・筋機能に明らかな差は認めず, 加齢を経ても引き続き筋重量に差は認めなかった一方, 持久力の低下などのフェノタイプが認められた. また加齢に伴う暗期の酸素消費量変化を含めた代謝性変化も示唆された. 以上より骨格筋におけるSirt1作用はミトコンドリア代謝などを介し, 筋質に影響をおよぼす一方, 筋重量維持には大きく影響しない可能性が示唆された. またSirt1機能は年齢依存的に変化する可能性が考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度はマウスモデルの安定的な継代および実験手法の確立を企図した. サルコペニアに関連する体重・筋重量や筋力・持久力といった表現型, 筋代謝に関連する結果も一部得られ始めていることから, 概ね順調に推移していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本マウスモデルを用い, 今後は長寿遺伝子Sirt1機能の加齢性変化を検討する. 既に暗期の酸素消費量変化といった代謝性変化を示唆する所見も得られており, 今後は糖代謝・脂質代謝を中心に, ミトコンドリア機能解析やメタボローム解析を行う方針である. また筋肉と全身臓器の関連として, 筋骨連関・認知機能との関連も検討課題としている.
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